【1/29ビットコイン価格分析】9万ドル回復、FRB金利据え置き受け

ビットコイン(BTC)は29日、堅調な値動きを見せ、心理的節目とされる9万ドルの水準を一時上回った。
足元の価格上昇の背景には、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表と、それに伴う不透明感の払拭にある。
FRB金利据え置きで警戒感後退もビットコインは重い展開
ビットコインの価格は一時、9万ドル台を回復した。
市場の注目が集まっていた27、28両日の米連邦準備制度理事会(FRB)の定例会合では、主要政策金利の誘導目標レンジを3.50~3.75%に据え置くことが決定された。
採決は賛成10、反対2の賛成多数だった。
この結果は市場の大方の予想通りで、過度な金融引き締めへの警戒感が後退。これが暗号資産(仮想通貨)市場での買い戻しを誘発したとみられる。
もっとも、楽観は尚早だ。仮想通貨は依然としてハイベータなリスク資産の性格が強く、ドル指数や米国債利回りの動向に対して神経質な反応を示しやすい。
実際、8月初旬の急落局面以降、ドル指数には反発の兆しが見られており、今後ビットコインの上値を抑える要因となる可能性がある。
一方、金(ゴールド)価格は1オンス=5300ドルと過去最高値を更新するなど、実物資産への資金逃避も並行して進行。
市場ではリスク資産と安全資産の双方に資金が向かう展開となっており、資金フローは一段と複雑化している。
9万ドルの攻防続くビットコイン
ビットコイン(BTC)は現在、9万ドルを巡る攻防局面に突入。市場の目先の焦点は、この水準を明確に上抜けられるかどうかに集まっている。
米国株市場では、S&P500種指数が7000ポイント到達後に反落した事例が示すように、ラウンドナンバー(節目)は市場参加者にとって強力な心理的障壁となりやすい。
仮想通貨市場においても同様で、ビットコインの節目価格9万ドルは重要な分岐点と位置付けられている。
この水準で上値を抑えられた場合、短期的な調整局面に入る可能性も否定できない。
なお、主要アルトコインであるイーサリアム(ETH)もBTCの動きに追随し、足元では3000ドルを上回る水準まで値を戻している。
需給面での下支え要因としては、大口投資家の動向が挙げられる。
ステーブルコイン最大手テザー社のパオロ・アルドイノCEOは、ポートフォリオの約10%をビットコイン、10~15%を金で保有する方針を明らかにしており、法定通貨の価値下落に備えるヘッジ需要は根強い。
一方で、規制リスクは依然として市場の重石となっている。
ブロックチェーン分析企業チェイナリシスによれば、2025年に仮想通貨を用いたマネーロンダリングの規模は820億ドルに達し、2020年以降、急増傾向にあるという。
さらに、ステーブルコインが銀行預金を浸食するとの懸念も浮上しており、ワシントンでの規制論議の激化は、中長期的に仮想通貨市場のボラティリティを高める要因として警戒が必要だ。
ビットコイン市場分析:強気シナリオの崩壊と次なる防衛ライン
1月29日時点の市場環境に基づき、ビットコインの現況と今後のシナリオを分析する。
週足:長期トレンドの構造的変化と下落リスク

出典:TradingView BTC/USD 週足(2022年~現在まで)
まず大局的な視点である週足チャートから紐解く。
2023年秋の20週移動平均線(MA)および100週MAのゴールデンクロス以降、長期にわたり維持されてきた上昇トレンドだが、現在のチャート形状はその構造的な崩壊の危機に瀕していると言わざるを得ない。
トレンドの勢いを示す20週MAに加え、先週の下落によって、本来であれば長期的なサポートとして機能すべき100週MAまでも割り込んでしまった。
これは上昇モメンタムの明確な減退を意味し、地合いは悪化している。
オシレーター系指標であるRSI(相対力指数)も41付近で推移しており、弱気相場入りの懸念が拭えない。
中期的な調整局面は不可避であり、市場の目線は、2025年の安値水準である7万5000ドル近辺まで下値を切り下げるリスクを織り込み始めている。
日足:ダマシによるセンチメント悪化と重要サポートの死守

出典:TradingView BTC/USD 日足(2025年4月~現在まで)
短期的な日足チャートを俯瞰すると、年初に描かれた強気シナリオは一旦白紙に戻ったと判断するのが妥当だ。
年初には投資家心理の節目である9万ドルの大台を一時回復し、20日移動平均線を上抜ける場面も見られた。
しかし、市場が期待したこのブレイクアウトは結果としてダマシに終わり、再び20日MAを割り込む展開となったことで、相場の主導権は完全に売り方が握っている。
戻り売り圧力が強く、上値は重い。
唯一の希望は、11月以降の安値切り上げ構造が崩れていない点だ。
一時的とはいえ9万ドルを奪還した事実は、下値支持意識の強さを示すポジティブな兆候と言える。
当面の焦点は、現在形成されている8万6000ドルから8万8000ドルのサポートゾーンを死守し、底堅さを証明できるかにある。
本格的な強気トレンドへの回帰には、9万ドルの奪還だけでは不十分だ。
現在レジスタンスとして機能している20日MA(約9万1,000ドル)および100日MA(約9万4,000ドル)を、日足の実体ベースで力強く上抜くことが求められる。
これらの障壁を突破して初めて、上昇相場の到来を断定できるだろう。
ビットコイン相場展望の要点
- 長期トレンドの毀損:週足レベルで重要な移動平均線(20週・100週)を割り込んでおり、上昇モメンタムが消失。7万5000ドル付近までの調整リスクが高まっている。
- 短期的には売り優勢:年初の上昇はダマシに終わり、強気シナリオは否定された。8万6000ドル〜8万8000ドルのサポート帯を死守できるかが直近の焦点となる。
- トレンド転換の条件:強気相場再開には、9万ドルの回復に加え、9万1000ドル(20日MA)および9万4000ドル(100日MA)の明確なブレイクが必須条件。