ネイルサロンのコンヴァノ、21000ビットコインの保有計画発表

ネイルサロン「FASTNAIL」を運営する株式会社コンヴァノは4日、2027年3月末までに2万1,000BTCを保有するビットコイン(BTC)財務補完計画を発表した。
この計画は、ビットコインの総発行上限枚数の0.1%にあたる2万1,000BTCの取得を目指すものだ。現在のレートで換算すると、想定される総額は約4,340億円に上る。
同社のこの動きは、企業の財務戦略において暗号資産(仮想通貨)が果たす役割が変化していることを示す事例として、市場から注目を集めている。
ビットコイン保有に至った背景
計画の背景には、世界的な金融緩和がある。パンデミック以降、新型コロナウイルス対策として各国で大規模な通貨供給が行われた結果、法定通貨の価値希薄化が懸念されている。
このような状況下で、米国のストラテジー社などがインフレヘッジとしてビットコインを大量に保有する戦略を採用した。コンヴァノの今回の決定は、こうした海外企業の動きに倣ったものとみられる。
また、国内でもリミックスポイント社などが仮想通貨を積極的に取得し、自社のエコシステム構築を進めている。コンヴァノは単に資産を保有するだけでなく、企業経営の長期的な指標としてビットコインを組み込むことで、財務の健全性と技術革新の両立を目指す。
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事業連携と市場の期待
コンヴァノの計画は、ビットコインを単なる価値保存手段として捉えていない。将来的には、主力事業であるネイルサロンの顧客ロイヤルティプログラムや決済システムへの活用も示唆されている。
これにより、資産価値の向上だけでなく、本業との相乗効果を生み出す狙いがあると考えられる。2027年3月までという長期的な目標設定は、同社が仮想通貨市場の持続的な成長を確信していることの表れだ。
日本企業による仮想通貨の保有事例としては、2025年7月時点で1,168BTCを保有するリミックスポイントが知られている。コンヴァノの計画規模はこれを大きく上回るものであり、今後の動向が注目される。今回の計画は、日本企業による仮想通貨投資が新たな段階に入ったことを示唆しているのかもしれない。