JPモルガン、コインベース目標を404ドルに|Baseトークンが鍵

大手金融機関のJPモルガンは24日、暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベースに対する投資判断を中立からオーバーウェイトに引き上げ、目標株価を404ドルに設定した。
同行のアナリストは、コインベースが運営するレイヤー2ブロックチェーンネットワークBaseの独自トークン発行構想が、リスク低減と新たな収益機会をもたらすと分析している。
Baseトークンの市場価値は最大5兆2000億円規模
JPモルガンの独自レポートによると、Baseの独自トークンが発行された場合、その時価総額は120億ドルから340億ドルの範囲になると予測される。
重要な点として、同行はこの価値のうち40億ドルから120億ドルがコインベースに直接帰属すると主張している。
これはコインベースがトークン供給量において実質的な所有権を持つことを反映した試算だ。
この予測は、コインベースの現在の収益構造からの戦略的転換を示している。
現在、同社は取引手数料、サブスクリプションサービス、そしてステーブルコインUSDCへの出資から収益を得ている。
USDC準備金からの利回りは年間約4億ドルを生み出しているが、Baseトークンの導入により、より持続可能な収益源が確保される見通しだ。
レイヤー2エコシステムの成長を収益化
JPモルガンの分析は、2つの相互関連する要因に基づいている。
第一はBaseトークンの導入だ。
これによりコインベースはレイヤー2ネットワークを株式化する。
プロトコルレベルの手数料配分やステーキング報酬を通じてBaseエコシステムの成長から直接価値を獲得できるようになる。
同行は、この動きが開発やコミュニティ参加を促進し、コインベースを受動的なインフラ提供者から能動的な価値受益者に変える可能性を指摘する。
第二はUSDコイン(USDC)利回りの最適化を通じた収益化強化だ。
サークル社との提携による利息収益を最適化することで、1株当たり約1ドルの収益増が見込まれる。
JPモルガンは、これらの要因が仮想通貨取引量への依存を減らし、より持続可能で予測可能な収益源を生み出すと強調している。
同行は、こうした機会を考慮すると現在の評価額は仮想通貨関連企業と比較して魅力的であると指摘している。
さらに、Baseトークン単独でも市場価値に30~90%の上昇余地があると試算している。
規制環境の明確化が鍵
JPモルガンのレポートは、Baseトークンの所有構造が業界標準に倣い、コインベースが供給量の30~50%を支配的に保有すると想定している。
分析ではBaseの、2025年後半に150万DAU達成した有機的成長を強調している。
これによりトークン発行後の人為的な刺激策は不要とした。
JPモルガンは、規制の明確化が極めて重要だと指摘した。
トークンが証券ではなくユーティリティ資産と認定されれば、重大な法的制約なしに迅速な展開が可能になるためだ。
市場は即座に反応し、24日の時間外取引でコインベース株は4%上昇した。
JPモルガンは、規制の明確化が極めて重要だと指摘した。
トークンが証券ではなくユーティリティ資産と認定されれば、重大な法的制約なしに迅速な展開が可能になるためだ。