日本の仮想通貨団体、申告分離課税20%を要求|税制の明確化

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は30日、2026年度の税制改正に関する要望書を金融庁に共同で提出した。
両団体は同日に記者会見を開き、要望内容について説明した。今回の提案は、日本のWeb3.0およびブロックチェーン関連産業の育成を目指し、国際基準に沿った税制の整備を求めるものだ。
申告分離課税20%への移行を要求
要望書の最大の柱は、暗号資産(仮想通貨)取引で得た利益に対する課税方式の変更だ。具体的には、税率20%の申告分離課税を適用し、損失を最大3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺できる「損失の繰越控除」の導入を求めている。

現在の仮想通貨の利益は、他の所得と合算して税額が決まる総合課税の対象で、税率は最大55%に達する。今回の要望は、株式や投資信託など他の金融商品と同水準の税制にすることで、利用者にとって公平で分かりやすい制度を目指す狙いがある。
また、要望書では課税対象の範囲も明確化を求めた。現物取引とデリバティブ取引を区別せず、ウォレットの種類や仮想通貨の銘柄による差異も設けない包括的な枠組みを提案している。これにより、複雑な税務処理を簡素化し、利用者の負担を軽減する。
寄付・相続税制の明確化で事業環境を整備
今回の要望には、利益への課税だけでなく、仮想通貨の寄付や相続に関する税制の明確化も含まれている。特に、仮想通貨による寄付を非課税とする措置を求め、社会貢献活動を促進したい考えだ。
相続に関しても、現行法では評価方法や手続きが曖昧な点が多く、円滑な資産承継の障害となっている。ルールの明確化により、利用者が安心して資産を次世代に引き継げる環境を整えることを目指す。
業界団体による税制改正への働きかけは活発化している。日本ブロックチェーン協会(JBA)も同様の要望書を提出しており、業界全体で政府へのアピールを強めている。両団体の要望書は、過去の提言内容を踏襲しつつ、継続的な活動の一環として提出された。
これらの改革を通じて、JCBAとJVCEAは、日本が世界の仮想通貨市場で競争力のあるハブとなることを目指している。規制の確実性と事業の収益性を両立させることで、健全な市場の発展を後押しする構えだ。