ハイパーリキッド、新たな貸出プロトコル「BLP」をテスト開始

分散型デリバティブ取引所のハイパーリキッドは8日、独自のレイヤー1ブロックチェーン上で新たな貸出プロトコル「BLP」のテストを開始した。
BLPは、BorrowLendingProtocol(借入貸出プロトコル)の略称とみられる。
現在はハイパーコアのテストネット上で試験が進められており、ステーブルコインのUSDCとPURRトークンに対応している。
HIP-3との統合でDeFiエコシステム拡大へ
BLPの開発は、ハイパーリキッドが目指す包括的なDeFiエコシステム拡張戦略の一環とされる。
現在同社では、パーミッションレス市場創出プロトコルHIP-3も進行中で、HYPEトークンのステーキングによって永続的市場を生成できる仕組みだ。
BLPは将来的にこのHIP-3と統合され、マルチマージン取引や分散型市場における担保管理の要素として機能する設計となっている。
両プロトコルの連携により、貸出とデリバティブの間で相乗的な取引環境が構築されることが期待される。
このエコシステムを支える技術として、レッドストーンのハイパーストーンオラクルの統合も進んでいる。
テストネット段階で1億300万件を超えるデータ更新を処理し、リアルタイムで高精度な価格情報を提供している。
採用拡大にはセキュリティと規制対応が課題に
ハイパーリキッドの狙いは、単一のデリバティブ取引プラットフォームから、包括的な金融基盤を備えたレイヤー1ブロックチェーンへと進化することにある。
その中心となるのがBLPとHIP-3の統合インフラだ。
ただし、アナリストらはスマートコントラクトの技術的リスクや、貸出に関する規制の不確実性、ガバナンス設計の脆弱性などが今後の普及に影響を与えるおそれがあると指摘している。
市場関係者の間では、BLPとHIP-3の本格稼働によってHYPEトークンの需要が増加し、価格が50ドルから200ドルに達する可能性も取り沙汰されている。
ただし、高い成長期待と同時に高リスクも内在しており、今後数カ月はその実効性を見極める試金石となる。