仮想通貨取引所ジェミナイ、米国で新規株式公開(IPO)を申請

仮想通貨
暗号資産ライター
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暗号資産(仮想通貨)取引所大手のジェミナイ(Gemini)は6日、米証券取引委員会(SEC)に対し、新規株式公開(IPO)の草案を提出した

同社はAクラス普通株式の上場を目指している。ジェミナイは、初期のビットコイン(BTC)投資家として知られるキャメロンとタイラーのウィンクルボス兄弟によって2014年に設立された。

コンプライアンスを重視する姿勢で知られ、2021年には4億ドルを調達し、企業評価額は71億ドルに達した。

今回提出されたのはS-1様式の登録届出書の草案で、非公開での申請となった。公開される株式数や価格帯、上場時期などの詳細は未定で、今後のSECの審査や市場の状況によって決定される見通しだ。

市場の追い風と規制環境の変化

今回の申請の背景には、仮想通貨関連企業に対する市場心理の改善がある。直前の5日には、サークル・インターネット・フィナンシャルがIPOを果たし、取引初日に株価が234%も急騰した。

この成功が、投資家の間で仮想通貨ネイティブ企業への信頼が回復していることを示している。また、規制環境も追い風となっている。

米国で審議が進むステーブルコイン関連法案や、トランプ政権が推進するデジタル資産のイノベーションを後押しする動きが、仮想通貨企業にとって株式市場へのアクセスを容易にする好条件を生み出している。

こうした市場の機運と規制緩和への期待が、ジェミナイのIPO申請を後押しした形だ。同社は伝統的な資本市場を活用し、さらなる成長を目指す。

過去の課題克服と今後の展望

ジェミナイはこれまで、規制上の課題に直面してきた。2023年には、同社が提供していたサービス「Earn」が未登録証券の提供にあたるとしてSECの調査対象となった。

また、2025年初頭には米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、500万ドル(約7.2億円)の和解金を支払っている。

これらの規制問題を解決したことで、同社はより円滑なIPOプロセスへの道筋をつけた。

さらに、IPO後の機関投資家へのアピールを狙い、金融大手ゴールドマン・サックスとシティグループを財務アドバイザーとして迎えたと報じられている。

ウィンクルボス兄弟は2024年、ドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンにそれぞれ100万ドル(約1億4400万円)を寄付したことでも注目された(後に個人献金の上限超過により返金)。

2022年の仮想通貨の冬の時代には人員削減などの困難も経験したが、その後は事業を安定させ、コンプライアンス体制を強化してきた。

ジェミナイの動きは、サークルの成功に象徴されるように、機関投資家の関心が高まる中で仮想通貨企業が伝統的な資本市場への進出を加速させる広範なトレンドを反映しているといえるだろう。

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