米コインベース、DeFi流動性強化向け6年ぶりにファンド再開へ 

暗号資産ライター
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暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは12日、DeFiプロトコルにおけるステーブルコインの流動性を高めるため、ステーブルコイン・ブートストラップ・ファンドを再開した。

この取り組みは2019年に初めて設立されてから約6年ぶりの再開となる。

コインベース・アセット・マネジメント(CBAM)が運営する同ファンドは、初期段階として4つの主要DeFiプロトコルに流動性を展開。

資本は米ドル連動のUSDCとユーロ連動のEURCの両方で配分され、急成長するDeFiエコシステム内でのステーブルコイン普及を促進する狙いがある。

DeFiエコシステム拡大を支える戦略的な再始動

2019年に設立された最初のファンドは、ユニスワップやコンパウンド、dYdXといった主要DeFiプラットフォーム上でUSDCの流動性を確立する重要な役割を果たした。

この基盤により、アルトコインのUSDCは現在約89億ドルの総価値ロック(TVL)を維持し、年間取引量は約2兆7000億ドルに達している。

今回の再開により、ステーブルコインの流動性を強化し、利用者にとってより安定した金利と効率的な市場を提供することを目指している。

同社は「金融の未来はオンチェーンにある」との信念のもと、立ち上げ前のプロトコルとの連携にも積極的な姿勢を示している。

規制環境好転とDeFi市場回復が背景

ファンド再開の背景には、米国での規制環境の改善とDeFi市場の力強い回復がある。

DeFiプロトコル全体で保有される資産は約2000億ドルに迫り、2025年4月以降でほぼ倍増している。

ただし、2021年のピーク時の水準には依然として届いていない状況だ。

現在DeFiレンディング市場には407億ドルの融資残高があり、効率的な運営を維持するために安定した流動性への需要が高まっている。

コインベースは今回の取り組みについて、具体的なファンド規模を明らかにしていないが、複数のネットワークで戦略的なテスト配置を行った後、段階的に運用を拡大する方針を示している。

USDCと並行してEURCを含めた点は、DeFiにおける欧州市場開拓を重視する同社の戦略を明確に示している。

コインベースは流動性支援を求める他のDeFiプロトコルからの直接連絡も歓迎しており、初期の4プラットフォームを超えた支援拡大の可能性を示唆している。

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