サークルが2026年ロードマップ発表、独自チェーンArc展開など

米ステーブルコイン発行企業のサークル社は1月30日、インターネットネイティブな金融システムの構築を目指す2026年の製品ロードマップを公表した。
独自ブロックチェーン「Arc」
サークルが掲げるビジョンの中心には、「Arc」と呼ばれる独自のレイヤー1ブロックチェーンがある。
同社はこれを「インターネットの経済OS」と位置づけており、2025年10月後半に公開されたテストネットは順調な滑り出しを見せている。
稼働開始から3ヶ月間で1億5000万件以上のトランザクションを処理し、約150万のアクティブウォレットを獲得した。
Arcの特徴は、決済時間が約0.5秒という高速性と、ステーブルコインで取引手数料を支払える点にある。
また、規制された金融業務に対応するため、コンプライアンスやガバナンスの要件を満たすプライバシー管理機能も備えている。
サークルは今後、バリデーター(承認者)の分散化やガバナンス構造の正式化を進め、テストネットから本番環境への移行を目指す。
この開発の背景には、ステーブルコインが実験段階から本格的な運用段階へと移行している業界の動向がある。
年間数兆ドル規模の取引を処理するパブリックブロックチェーンの需要が高まる中、サークルは機関投資家レベルの金融ワークロードに耐えうるインフラの構築を急いでいる。
Arcは、将来的に分散型金融(DeFi)の基盤としても機能することが期待される。
デジタル資産の拡大と相互運用性
ロードマップの第2の柱は、デジタル資産とそのサービスの拡充だ。同社の主力である米ドル連動型ステーブルコインUSDCやユーロ連動型のEURCに加え、パートナー企業との連携も強化している。
USDCは2025年12月時点で30のブロックチェーン上でネイティブに利用可能となっており、その基盤は着実に広がっている。
異なるブロックチェーン間での資産移動を円滑にする「クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)」は現在19のチェーンを接続しており、これまでの累積取引高は1260億ドルに達した。
さらに同社は、パートナー企業がUSDCを裏付けとしたステーブルコインを発行できる「xReserve」という枠組みを拡大している。
この枠組みを通じて発行された利回り付きコインUSYCは、流通量が16億ドルに上るという。
機関投資家向けの決済ネットワーク
第3の柱として、企業や機関投資家が容易に利用できるアプリケーション層の整備が進められている。「Circle Payments Network」や「StableFX」といったサービスは、企業がブロックチェーンの複雑な技術管理をすることなく、ステーブルコインを用いた決済や外国為替操作を行えるように設計されたものだ。
特にStableFXは、承認された機関がリアルタイムでステーブルコインの外国為替取引を行い、即時にオンチェーンで決済を完了できるプラットフォームだ。
企業は情報の流れと同じような速度と信頼性で価値を移動できる金融サービスを求めており、サークルはこうした市場の期待に応えようとしている。
サークルは、規制への準拠と機関投資家による採用が進む現状を踏まえ、Arcをオンチェーン金融への入り口として位置づけている。
技術的な複雑さを抽象化し、開発者にとって使いやすい環境を提供することで、ステーブルコインを活用した金融システムの進化を加速させる狙いだ。