HyperliquidがCircleと提携|クロスチェーンUSDC送金が可能に

ステーブルコインUSDCの発行元であるCircleは31日、オンチェーンデリバティブに特化したブロックチェーン、HyperliquidでのネイティブUSDCおよびCross-Chain Transfer Protocol Version 2(CCTP V2)のローンチを公開した。
この統合により、ユーザーはブリッジやラップされたトークンといった中間媒体なしに、USDCの直接発行、償還、およびクロスチェーン送金が可能となる。
Hyperliquidは、暗号資産(仮想通貨)の分散型金融(DeFi)領域、特に無期限先物取引において急速に存在感を増しているプラットフォームである。
Hyperliquidの市場支配力とCircleの戦略的提携
分散型無期限先物市場において、Hyperliquidは83%という圧倒的なシェアを誇り、月間取引高は1,500億ドル(約22兆5,000億円)を超える。この莫大な取引量とそれに伴う流動性は、Circleにとって魅力的な提携先としての地位を確立させた。
Hyperliquidの運用資産総額は今月、40億ドル(約6,000億円)未満から55億ドル(約8,250億円)へと急増している。
この顕著な成長は、約12億ドル(約1,800億円)に上るUSDCの流入に大きく支えられており、同プラットフォームに対するトレーダーや開発者からの高い信頼を如実に示している。
クロスチェーン効率を革新する新技術
今回のネイティブUSDC導入により、HyperliquidのHyperEVMレイヤー上でステーブルコインが直接やり取りできるようになり、従来のブリッジングに伴うカストディリスクや送金遅延が解消される。
同時に導入されるCCTP V2は、イーサリアムやアバランチといった異なるブロックチェーン間でUSDCを1秒未満という驚異的な速度で転送する技術を提供する。これにより、米ドルと1対1で価値が連動するUSDCを、低コストかつシームレスに移動させることが可能となる。
この発表後、HyperliquidのネイティブトークンであるHYPEの価格は3%上昇した。
CircleはこれまでにもXRP LedgerやWorld ChainへのネイティブUSDC統合を進めており、今回のHyperliquidとの提携も、広範なDeFiエコシステムへの関与を深める同社の戦略の一環として位置づけられる。