Bybit、日本での新規登録を停止|金融庁の規制強化に対応

仮想通貨取引所
Sui DeFi Researcher / Scallop Ambassador
監修
最終更新日: 

暗号資産(仮想通貨)取引所大手のBybitは30日、日本の規制ガイドラインを遵守するため、翌31日より日本における新規ユーザー登録の停止を明かした。

今回の措置は、日本の金融庁が進める規制枠組みへの対応を目的としたもので、利用者保護を優先する姿勢を明確にしている。

既存の国内ユーザーに対するサービスは当面継続されるが、将来的にはさらなる制限が課される可能性もある。

規制強化への対応

Bybitはプレスリリースで、31日午後9時をもって、日本在住の個人および法人の新規ユーザー登録を停止することを確認した。

同社はこの措置を「金融庁の進化する規制枠組みに合わせるための積極的な一歩」と説明している。

背景には、日本における法改正の動きがある。

暗号資産(仮想通貨)はこれまで決済サービス法の下で監督されていたが、今後はより厳格な金融商品取引法の下で金融商品として再分類される見込みだ。

これにより、仮想通貨取引所には証券会社と同等のコンプライアンス基準が求められるようになる。

具体的には、マネーロンダリング対策の強化、自己資本の充実、そして顧客資産保護措置の徹底などが義務付けられる。

Bybitは「既存ユーザーの取引に即時の影響はない」としながらも、今後の規制動向に応じてサービス内容を見直す可能性を示唆した。

同社は2018年に設立され、世界で7,000万人以上のユーザーを抱える取引高世界第2位の取引所だ。

度重なる警告と戦略的判断

今回の登録停止は、日本の金融庁による継続的な規制圧力が直接の要因とみられる。

金融庁は2021年と2023年の2度にわたり、Bybitが無登録で営業しているとして警告を発していた。

さらに、2024年10月には金融庁が仮想通貨を金融商品取引法の対象とする方針を打ち出し、規制強化が明確化。

Bybitはこの流れを受け、先手を打って体制を見直す判断を下したとみられる。

また、2月に発生した北朝鮮系ハッカー集団「ラザルスグループ」による約15億ドル規模のハッキング事件も、内部監査とセキュリティ体制の再構築を促した。

Bybitは「厳格な規制要件を満たすため、内部レビューに注力する」と述べ、短期的な拡大よりも長期的な信頼確保を優先する姿勢を示した。

日本市場への影響と今後の展望

Bybitは日本のユーザーに対し「今回の停止は新規登録のみで、既存アカウントの機能には影響しない」と説明している。

同社は現在、新規制下での正式ライセンス取得を目指して準備を進めている。

Bybitはこれまで、日本の個人投資家が利用できる主要な海外取引所の一つであった。

そのため、この一時的な撤退は、bitFlyerやGMOコインなど国内の認可取引所にとって事業拡大のチャンスとなる可能性がある。

Bybitは「日本市場への長期的なコミットメントは変わらない」としており、今回の措置は恒久的撤退ではないと強調している。

日本の新しい規制モデルが今後EUやシンガポールなど他地域の制度設計にも影響を与える可能性があると指摘され、Bybitの動向は国際的にも注目されている。

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