ブラックロックCEO、ビットコインを「金に代わる資産」と再評価

世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは12日、ビットコイン(BTC)を金のような代替資産と評価した。
フィンク氏は同日、CBSの番組である60 Minutesのインタビューに応じ、「ポートフォリオの多様化を目指す人々にとって、これは悪くない資産だ」と述べた。一方で、ポートフォリオに占める割合は大きくすべきではないと注意を促している。
この発言は、同氏が2017年にビットコインをマネーロンダリングの指標と厳しく批判していた立場から一転したものだ。
フィンク氏は、「ビットコインに関する以前の自身の仮定を再考しなければならなかった」と述べ、価値の保存手段としての役割を認めた。
IBITの成功と個人投資家の動向
ブラックロックの見解変更の背景には、同社が提供する現物ビットコインETFであるiShares Bitcoin Trust(IBIT)の成功がある。
IBITは、2024年の米証券取引委員会(SEC)による承認後、世界最大の現物ビットコインETFへと急成長し、資産運用額は約900億ドル(約13兆6800億円)に達した。最近では、週間で35億ドルもの資金が流入するなど、競合を圧倒する人気を見せている。
フィンク氏によると、IBITへの需要の約半分は個人投資家によるもので、そのうちの75%はこれまで同社のiShares製品を利用したことがない新規顧客だったという。
この事実は、これまで暗号資産(仮想通貨)に直接触れることのなかった伝統的な金融市場の参加者が、ETFを通じて市場に参入し始めていることを示している。
市場の不確実性とビットコインの役割
フィンク氏が姿勢を軟化させたもう一つの要因は、世界経済の不確実性だ。
インタビューが実施された当時、米国では政府機関の閉鎖が2週目に入り、金融政策の判断に不可欠な経済指標の発表が遅れる事態となっていた。
また、米中間の緊張を背景とした市場の混乱で、190億ドル規模の仮想通貨の清算が発生するなど、金融市場は不安定な状況にあった。
こうした環境下で、ビットコインは政府の混乱に対するヘッジとしての特性が注目され、機関投資家にとって魅力的な選択肢となっている。
供給量が2100万枚に固定されているビットコインの分散型という性質は、インフレや通貨価値の下落を懸念する層にとって、伝統的な資産にはない価値を提供している。
4.5兆ドルを超える規模に成長したデジタル資産市場は、複数回の市場サイクルを経て、その回復力を証明した。
デジタル資産エコシステムへの拡大
フィンク氏の関心はビットコインだけにとどまらない。同氏は決算説明会で、「資産のトークン化とデジタル化という考え全体において、我々がより大きな役割を果たす方法について、今後数年でエキサイティングな発表ができると信じている」と語った。
ブラックロックは、米国で最大の現物ビットコインおよびイーサリアム(ETH)のETFを発行するだけでなく、大手デジタル証券会社セキュリタイズ社と提携してマネーマーケットファンドをトークン化するなど、伝統資産のデジタル化にも積極的に取り組んでいる。
同社は、ステーブルコインやトークン化資産を含むデジタル資産市場が今後数年で著しく成長すると予測。IBITの成功は、フィデリティなど他の大手金融機関の市場参入を促し、仮想通貨が金融の主流に受け入れられつつあることを象徴している。