ビットコイン、9.5万ドル視野｜金価格停滞で更なる上昇可能性

ビットコイン（BTC）は24日、スコット・ベッセント米財務長官が米中間の貿易協定締結には数年を要するとの見解を改めて示したことで、前日比2.3%安を記録し上昇を一服した。

直近7日間では8.8%の値上がりだ。しかし、市場全体ではビットコイン（BTC）を上回る上昇を見せた通貨も多い。

特にアルトコイン市場が活況を呈している。

主要20通貨（ステーブルコイン、ミームコイン、取引所トークンを除く）の動向を示すコインデスク20指数は、直近24時間で4.2%上昇した。

中でもスイ（SUI）は同期間で24%急騰。カルダノ（ADA）やチェーンリンク（LINK）もそれぞれ7%の上昇を記録している。

米中貿易協議の行方

好調なスタートを切った暗号資産（仮想通貨）関連株も、日中の取引が進むにつれて勢いを失った。

ビットディアー（BTDR）やコア・サイエンティフィック（CORZ）のようなマイニング企業は、2桁の上昇から後退し、約4%高で取引を終えた。

コインベース（COIN）は2.1%高、マイクロストラテジー（MSTR）は1.4%高となっている。

トランプ米大統領はここ数日、中国に対する圧力を和らげる姿勢を見せていた。

しかし、ベッセント長官は23日、ホワイトハウスが中国への関税引き下げに関する一方的な提案を行ったわけではないと述べた。

さらに、両国間の合意には2～3年かかるとの見方を示した。

仮想通貨取引会社ウィンセントのディレクター、ポール・ハワード氏は、「習近平国家主席とトランプ大統領の会談から実質的なニュースが出るまで、関係改善は実現しないかもしれない」と語る。

同氏は、当初の強硬姿勢と関税の脅威が市場に織り込まれ、過去2ヶ月間のリスク選好を抑制したと指摘した。

機関投資家の関心とビットコインの今後

投資家の需要回復を示す兆候として、米国上場の現物ビットコインETFには、今週これまでに約13億ドル（約1846億円）の純流入があったことがSoSoValueのデータで分かった。

これらのファンドは火曜日に1月中旬以来最も好調な日を記録している。

デジタル資産運用会社21Sharesの仮想通貨リサーチストラテジスト、マット・メナ氏は、「多くの人が新しい金融・政治体制と見なすものに先んじて、機関投資家が資金を投じている」と述べる。

「投機的資産としてだけでなく、伝統的市場全体で不確実性が高まる中での安全資産として、より多くの投資家が注目している」と同氏は付け加えた。

メナ氏は、力強い値動きにもかかわらず、ビットコインは短期的には9.5万ドル（約1349万円）付近で抵抗に直面しており、反落する可能性があるとも指摘している。

金価格の停滞とビットコインへの期待

一方、金は今日2.5%下落し、1オンスあたり3290ドル（約46万7000円）で取引されている。

金は4ヶ月間で35%上昇し3500ドルに達した後であり、市場が不確実性のピークを過ぎつつある可能性を示唆するかもしれない。

ビットコインに特化したヘッジファンド、カプリオール・インベストメンツの創設者チャールズ・エドワーズ氏は、大規模な上昇後の金の停滞はビットコインにとって好材料となる可能性があると述べている。

同氏は23日にX（旧Twitter）にチャートを投稿し、歴史的にビットコインは数ヶ月の遅れを伴って金の上昇に追随してきたと指摘。

ビットコインはいま現在著しい強さを見せていると強調した。