ビットコインDeFiのTVL28倍増|機関投資家参入で86億ドルに

ビットコイン(BTC)を基盤とするDeFiプロトコルに預けられたTVLは19日、86億7800万ドルに達したことが明らかになった。
TVLは、暗号資産(仮想通貨)のDeFiエコシステムへの関心度や資本効率を測る重要な指標とされる。
機関投資家の参入とプロダクト革新が成長を牽引
2024年1月時点で3億700万ドルだったビットコインDeFiのTVLは、わずか1年半で約28倍に増加した。
7月半ばには一時71億1700万ドルの最高値を記録し、驚異的な成長を見せている。
この急成長の背景には、複数の要因が絡み合っている。
まず、大手金融機関を含む機関投資家が、新たな収益機会を求めてビットコインDeFi市場へ本格的に参入し始めた。
例えば、レイヤー2ネットワークのStacksでは、ビットコインに裏付けされた資産であるsBTCが、わずか2時間半で5000sBTCもブリッジされるなど、機関投資家の強い需要が確認された。
また、プロダクトの革新も市場拡大を後押しした。
ビットコインを担保とした貸し借りや、DEX、イールドファーミングといった新しいサービスが登場した。
これにより、ビットコインは従来の価値の保存手段という役割を超え、受動的な収益を生み出す資産としての新たな活用法が生まれた。
さらに、ビットコインを担保とするステーブルコインの統合が進み、エコシステム内の流動性が向上したことも追い風となっている。
イーサリアム中心からの多角化進む
Rootstockなどの主要プロトコルは、TVLとアクティブユーザー数で過去最高を記録しており、エコシステムの活況を物語っている。
市場は変動を見せながらも着実に拡大しており、7月初旬に一時63億6000万ドルまで減少した。
その後、数日で70億4900万ドルまで回復するなど、個人および機関投資家の関心の高さがうかがえる。
2025年半ば時点で、世界のDeFi市場全体のTVLは1270億ドルに達している。
その中でビットコインDeFiが占める割合は約5.5%となり、これまでイーサリアム(ETH)が支配的だったDeFi市場において、構造的な変化が起きていることを示している。
ビットコインを基盤とするDeFiの台頭は、市場の多角化を促進する重要な仮想通貨投資の動きとして注目される。