Ondo Finance、SECとトークン化証券の規制について協議

暗号資産（仮想通貨）企業のOndo Finance Inc.は24日、法律事務所Davis Polk & Wardwell LLPと共に米証券取引委員会（SEC）の仮想通貨タスクフォースと会合した。

トークン化証券の発行・販売に向けた規制協議

この会合は、公開市場で取引されている米国証券をトークン化したものの発行および販売に関する規制上の道筋について議論することを目的としていた。

Ondo Financeは、10億ドル（約1430億円）を超えるトークン化商品を管理しており、これはトークン化された米国債市場全体の61.5億ドル（約8794.5億円）の約16.4%に相当する。

議論の中心となったのは、登録要件、ブローカー・ディーラーの義務、市場構造に関する規制、金融犯罪へのコンプライアンス、さらには州の会社法といった課題に対応するための具体的な構造モデルだった。

同社は、伝統的な金融資産をブロックチェーンの枠組みに統合することを目指している。

その過程で、投資家保護とマネーロンダリング防止（AML）コンプライアンスの確保にも注力する方針だ。

規制環境の変化と今後の展望

今回の協議は、SECの仮想通貨タスクフォースが新たなリーダーシップの下で業界関係者との対話を深めている時期に行われた。

ゲーリー・ゲンスラー前委員長の退任を受け、仮想通貨に関する規制政策の見直しが進められている可能性がある。

機関投資家の間では、ブロックチェーン技術を活用した取引可能な証券、すなわちトークン化証券への関心が高まっている。

Ondo Financeが管理する10億ドル超のトークン化商品は、この需要の増加と、明確な規制ガイドラインの必要性を示している。

また、法律事務所Davis Polkが、トランプ前大統領に関連するベンチャー企業（例えば、Truth Socialの仮想通貨関連ETF計画）の代理人も務めていることは、関係者の背景に複雑な側面があることをうかがわせる。

報道によると、Ondo Financeは会合で、コンプライアンスを遵守した形でのトークン化を促進するために、規制サンドボックス制度や特定の分野に限定した免除措置の可能性についても議論を求めた。

特に、取引所法の適用可能性、AMLの枠組み構築、そしてトークンを利用した発行モデルにおける市場操作の防止策が重要な論点となった。

この会合が、仮想通貨に対する強硬な執行姿勢に批判的とされるポール・アトキンス氏がSECの新委員長に就任した直後に行われた点も、今後の規制動向を占う上で注目される。

Ondo Financeの試みは、伝統的金融と分散型金融（DeFi）の融合に向けた重要な一歩となる可能性がある。さらに、仮想通貨の今後の規制整備が進めば、トークン化証券市場はさらに拡大するだろう。