メルコイン、仮想通貨取引収益が2.7億円に|前年同期比9倍

メルカリは5日、子会社メルコインの2025年6月期第1四半期(2024年7月-9月期)の決算内容を公開し、暗号資産(仮想通貨)取引による収益が2億7100万円となったことが明らかになった。
前年同期の3000万円から約9倍の大幅な成長を記録した。着実な事業拡大とサービス展開により、仮想通貨取引市場における存在感を一段と高めている。
仮想通貨取引サービスの拡充が収益を牽引
メルコインは2023年3月にビットコイン(BTC)取引サービスを開始し、2024年5月にはイーサリアム(ETH)取引も追加した。
さらに2024年8月にはビットコインの積立機能、10月にはイーサリアムの積立機能を実装するなど、サービスの拡充を続けている。
特に積立機能の導入は、初心者でも気軽に仮想通貨投資を始められる環境を整備し、新規ユーザーの獲得に大きく貢献している。
関連記事: メルカリでイーサリアム積立が可能に|最短30秒で口座開設
業界をリードする新規口座開設数
同社の仮想通貨口座数は2024年5月時点で220万口座を突破。直近1年間(2023年9月から2024年8月)における新規口座開設数は約181万口座に達し、業界全体の約57%を占める圧倒的なシェアを獲得している。
フリマアプリ「メルカリ」との連携により、若年層を中心に新規ユーザーの獲得に成功しており、この傾向は今後も継続すると見られている。
会計処理と今後の展望
メルカリの連結決算において、メルコインの仮想通貨取引はIFRS第9号に基づきデリバティブとして会計処理されている。
同社は積立機能の導入により、長期的な資産形成を視野に入れた仮想通貨取引の普及を目指している。仮想通貨市場全体の活況も追い風となり、今後も成長が期待される。
新規口座開設数の好調な伸びは、メルコインのユーザーフレンドリーな取引環境と、メルカリの既存ユーザーベースを活用した効果的なクロスセル戦略の成功を示している。
また、BTCとETHという主要な仮想通貨に特化したサービス展開は、初心者ユーザーの不安を軽減し、安心して取引できる環境の構築に寄与している。
今後は積立機能を通じた定期的な投資の促進や、ユーザー教育の強化など、さらなるサービス拡充が予想される