ウエスタン・ユニオン、「WUUSD」商標出願でWe3分野に参入

国際送金サービス大手のWestern Union(ウエスタン・ユニオン)は29日、米国特許商標庁(USPTO)に「WUUSD」の商標を出願したことが明らかになった。
この動きは、同社が28日に発表した米ドル連動型ステーブルコインUSDPT(U.S. Dollar Payment Token)の発行計画に続くものとなる。
USPTOの公式記録によると、商標出願番号は99468604。対象には、暗号資産(仮想通貨)ウォレットソフトウェアのほか、決済や取引、交換などのサービスが含まれている。
ウエスタンユニオンは創業174年を誇り、現在は約3160億ドル規模の市場で事業を展開。今回のステーブルコインについては、既存の決済ネットワークへの統合を見据えた準備を進めているという。
ソラナ基盤のステーブルコイン発行へ
新たに発表された「USDPT」は、米ドルの準備金によって1対1の価値が裏付けられるステーブルコインとなる。
発行は2026年前半を予定しており、基盤ブロックチェーンには将来性のあるソラナ(SOL)が採用される見通しだ。
発行体は、米連邦政府の監督下にあるアンカレッジ・デジタル・バンクが担う。ソラナを選定した背景には、他のブロックチェーンと比較して優れた取引速度、拡張性、そして低コストな処理性能がある。
伝統金融とブロックチェーンの融合が加速
最近可決されたGENIUS法により、伝統的な銀行や金融機関がステーブルコインを発行できる法的枠組みが整備された。
この動きを受け、ウエスタンユニオンはデジタル資産分野への本格参入を進めている。
アナリストの間では、今回の取り組みを「国際送金サービスにステーブルコインをシームレスに統合する長期的戦略」と評価する声も上がっている。
USDPTの発表に続くWUUSD商標出願は、自社ブランドを冠することで信頼性を高め、グローバルな利用拡大を狙った動きとみられる。
USPTOのデータベースによると、WUUSDは現在も審査段階にある。今回の試みは、伝統金融とブロックチェーン技術をつなぐ象徴的な一歩であり、今後の金融機関によるデジタル通貨導入にも影響を及ぼす可能性がある。