ストラテジー、MSCI指数除外の可能性で協議開始

ストラテジーのマイケル・セイラー会長は3日、同社がMSCI指数から除外される可能性について、指数プロバイダーのMSCIと協議を行っていることが分かった。
MSCIは、デジタル資産を大量に保有する企業の指数採用基準に関する協議を開始したと発表している。
同社は、こうした企業が事業会社ではなく投資ファンドに近い性質を持つ可能性があると懸念している。
協議期間は2025年末まで続き、最終的な決定は2026年1月15日に下される予定だ。
ストラテジーは現在、世界最大のビットコイン(BTC)保有企業として知られ、その動向が注目されている。
指数除外による市場への影響と懸念
金融大手JPモルガンは、仮にストラテジーがMSCI指数から除外された場合、市場に大きな影響が出ると指摘している。
同社の試算によると、MSCI指数からの除外だけで約28億ドルの株式売り圧力が発生するという。
さらに、他の主要な指数プロバイダーがこの動きに追随した場合、資金流出の総額は約88億ドルに達する可能性がある。
これは、ETFなどの指数連動型商品を通じた資金が引き揚げられるためだ。
セイラー氏はドバイでの議論の中で、MSCIと連絡を取り合っていることを認めた。
同氏は、指数からの除外が「会社の財務上の義務に懸念を生じさせる可能性がある」としつつも、長期的には大きな相違はないとの見解を示している。
ビットコイン価格との連動と財務リスク
ストラテジーは現在、65万BTCを保有している。
同社の株価はビットコイン価格の変動に強く連動しており、セイラー氏自身も「実質的にビットコインのレバレッジ版だ」と表現している。
しかし、最近のビットコイン価格の下落を受け、同社の株価は年初来で37%以上下落した。
度重なるビットコイン下落が企業価値に大きな影響を与えているようだ。
市場では、同社の時価総額が保有するビットコインの価値を下回る現象も発生しており、企業構造の持続可能性に疑問符がついている。
これに対しセイラー氏は、市場環境が極端に悪化した場合の対応について言及した。
同氏は「純資産価値が1倍を割り込み、他の資本にアクセスできない場合は、ビットコインの売却を検討する」と述べ、従来の方針転換を示唆している。
投資家は引き続き、暗号資産市場全体の動向を注視する必要があるだろう。