英SC銀行警告|ビットコイン価格目標10万ドルへ下方修正

英金融大手スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏は12日、2026年末のビットコイン BTC +4.54%価格目標を従来の15万ドルから10万ドルに引き下げた。
これは2025年12月時点の予測である30万ドルと比較しても大幅な下方修正となる。同行による予測の引き下げはここ数カ月で2度目だ。
5万ドルまでの下落も予測
ビットコイン価格は6万5000ドル付近で取引されている。これは、2025年10月に記録した約12万4000ドルのピークから約50%下落した水準にある。
仮想通貨市場全体でも、同時期に約2兆ドルの価値が失われた計算になる。
ケンドリック氏は、今後数カ月でさらなる価格調整が起こる可能性を警告している。市場が安定する前に、ビットコイン価格は一時5万ドル付近まで下落する恐れがあるという。
また、同行は主要なアルトコインの見通しも引き下げた。
イーサリアム(ETH)の2026年末目標は7500ドルから4000ドルに修正された。ソラナ(SOL)についても、250ドルから135ドルへと見通しを下げている。
ETFからの資金流出とマクロ経済の逆風
ETFからの資金流出が、今回の予測引き下げの主な要因として挙げられる。
2025年10月の売り局面以降、米国上場の現物ビットコインETFからは約80億ドルが流出した。保有量はピーク時から約10万BTC減少している。
ETF購入者の平均取得単価は約9万ドルと推定されている。多くの保有者が約25%の含み損を抱えている状況だ。
ケンドリック氏は、こうした市場参加者が「押し目買い」よりもポジションの縮小を選ぶ可能性が高いと分析している。償還が加速すれば、さらなる下落リスクが生じることになる。
マクロ経済環境も逆風となっている。
米国経済は軟化の兆しを見せているものの、市場は当面の追加利下げを期待していない。次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏が就任する2026年後半までは、金利環境が好転しないとの見方が強い。
世界的な成長懸念や金利の不透明感から、資金はゴールドなどの伝統的な安全資産へと逃避している。仮想通貨は株式市場との相関を強めており、リスク選好度の低下が価格を押し下げている状況だ。
米国での規制明確化の遅れや、一部機関での流動性逼迫も市場の信頼感を損なっている。企業のビットコイン蓄積が一巡したことも需要減退の一因だ。
これにより、ETFへの資金流入が需要の主な牽引役として残された形となっている。
長期的な強気シナリオは継続
短期的には弱気な見通しが示されたものの、ケンドリック氏は今回の下落局面が過去のサイクルほど極端ではないと述べている。
2022年のテラやFTXの破綻時とは異なり、今回は主要なプラットフォームの崩壊を伴っていないためだ。
スタンダードチャータード銀行は、長期的な強気見通しについては変更していない。2030年末までの目標価格として、ビットコインで50万ドル、イーサリアムで4万ドルという高い目標値を維持した。
オンチェーンデータの利用状況は改善を続けており、資産クラスとしての構造的な基盤は強化されているという。
一方で、足元の市場心理は急速に冷え込んでいるのが現状だ。2月中旬時点での「Crypto Fear & Greed Index(恐怖・強欲指数)」は「5」を記録し、「極度の恐怖」を示した。