露大手銀ズベルバンク、法人向け仮想通貨担保ローンを本格展開

ロシア最大の国営銀行であるズベルバンクは6日、法人顧客を対象とした暗号資産(仮想通貨)担保ローンの提供に向けた準備を進めていると明らかにした。
同行は2025年12月に実施した試験運用プログラムを成功させ、今回の本格展開を決定。報道によると、ズベルバンクはマイニング企業のAOインテリオン・データに対し、ロシア初となるビットコイン(BTC)担保ローンを実行したという。
この取引では、同社が自ら採掘したビットコインが担保として差し入れられた。銀行側は独自の保管ソリューションである「Rutoken(ルートークン)」を活用し、融資期間中の仮想通貨を安全に管理している。
法人需要の高まりとサービス対象の拡大
ズベルバンクのアナトリー・ポポフ副頭取は、このサービスをマイニング企業だけでなく、デジタル資産を保有するあらゆる法人に拡大する戦略を認めた。
同行はこれまでも、ビットコインやイーサリアム(ETH)に連動した金融商品など、デジタル資産の提供を段階的に広げてきた。
今回の取り組みは、法人顧客からの堅調な需要が主な原動力となっている。ウクライナ情勢に伴う西側諸国の制裁により、ロシアでは従来の国際決済へのアクセスが制限されている。
そのため、流動性を確保する手段として仮想通貨の重要性が高まっている。
ロシアではソフコムバンクが先行して、個人および企業向けの仮想通貨担保ローンを合法的に提供し始めている。
ズベルバンクの法人向け融資残高は2025年12月時点で約30兆4000億ルーブル(約57兆3000億円)に達しており、今回の新サービスは戦略的に重要な意味を持つ。
規制整備に向けた中央銀行との連携
ロシア中央銀行は現在、包括的な仮想通貨規制の策定を進めており、2026年7月1日を施行期限としている。これにより、金融機関が準拠すべき明確なルールが整備される見通しだ。
ポポフ副頭取は、必要な規制枠組みの策定に向けて中央銀行と協力する用意があると述べている。
世界的にも同様の動きが見られ、ウェルズ・ファーゴやJPモルガンなどの大手金融機関も仮想通貨資産を組み込んだ信用供与を模索している。
ズベルバンクにおける2025年のデジタル資産発行額は前年比5.6倍の4080億ルーブル(約8320億円)に急増しており、デジタル資産への移行が鮮明だ。
一方で、現在検討されている規制案には、個人投資家の購入制限などが含まれる可能性がある。
これが市場の流動性に影響を与える懸念もあるが、同行は口座のような安全性を持つ保管サービスの導入も計画している。