Secured Finance、RWA担保でステーブルコインJPYC借入可に

スイスを拠点とするSecured Finance AGは5日、シンガポールのDigiFTと戦略的提携を結んだと明かした。今回の提携により、Secured Financeのプロトコルにトークン化された現実資産(RWA)が統合されることになる。
具体的には、UBSアセット・マネジメントが発行するトークン化されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)である「uMINT」を担保として利用できるようになる。
ステーブルコインJPYCの借入が可能に
今回の提携により利用者は、DigiFTを通じて保有するuMINTを担保に、日本円ステーブルコインJPYCや米ドル連動のUSDCなどを借り入れることが可能だ。
uMINTは2024年11月にUBSアセット・マネジメントによって立ち上げられた、イーサリアム(ETH)ベースのトークン化投資ファンドだ。
高品質な短期金融商品を裏付けとしており、信頼性の高い資産として知られている。
一方、Secured Finance AGは、イーサリアムやアービトラム(ARB)、ファイルコイン(FIL)など複数のブロックチェーン上で、固定金利の貸借市場やファイルコインを裏付けとするステーブルコインUSDFCを展開している企業だ。
同社は「最も安全で透明性の高い金利レイヤー」の構築を目指している。
UBSのトークン化ファンドを担保に活用
DigiFTは、シンガポール金融管理局(MAS)および香港証券先物委員会(SFC)の規制下で運営される機関投資家向けのRWAプラットフォームだ。
UBSアセット・マネジメントやBNY、インベスコといった大手金融機関のオンチェーンにおけるトークン化および流通パートナーとしての役割を担っている。
今回の取り組みは、トークン化された証券が単なる保有や取引の対象を超え、担保や資金調達の手段として実際に運用される初の事例となる。
Secured Finance AGは、トークン化資産の価値を「取引」から「担保と資金調達」という実用的な用途へと拡張することが、オンチェーン金融の実装を進める鍵であると考えている。
DigiFTのヘンリー・チャン創業者兼CEOは、安全な資産や短期投資商品をDeFiの担保として機能させることは、伝統的金融とDeFiの統合を「概念」から「運用可能な金融インフラ」へと進化させる重要なステップだと強調した。
伝統的金融とDeFiの融合を加速
両社は今回のuMINTの統合を出発点として、デジタルアセット担保ローンで利用可能なトークン化資産の範囲を拡大する計画だ。
将来的には、トークン化されたファンド、短期商品、債券、株式なども対象に含める予定であるとしている。
また、借り入れ可能な通貨や利用シナリオも広げ、オンチェーンでの投資、決済、ヘッジの運用効率を高めることを目指す。これに伴い、透明性と運用効率のバランスを考慮したリスク管理および監視システムも強化していく方針だ。
DigiFTは、2026年末までに約5億ドル相当のRWAをトークン化するためにQuantum Solutionsと提携するなど、戦略的な取り組みを進めている。
また、以前にはSBIホールディングスが主導するラウンドで2500万ドルを調達し、インフラの拡充を図ってきた。
Secured Financeも2025年11月にJPYCの固定金利貸借市場を開設するなど、基盤を固めている。