ソフトバンク支援企業も参画、新レイヤー1「Somnia」正式公開

Somnia財団は2日、Improbable社と共同開発したレイヤー1ブロックチェーンSomniaのメインネットと、ネイティブトークンであるSOMIを正式にローンチした。
Improbable社は、ソフトバンクグループや米大手ベンチャーキャピタルa16zらが出資する英企業として知られる。
今回のローンチは、6ヶ月間にわたるテストネット期間を経て実施された。
公式発表によると、テストネットでは100億件を超えるトランザクションが処理され、1億1,800万のユニークなウォレットアドレスが作成されるなど、高い関心を集めた。
100億件の取引を記録したテストネットの成功
Somniaは、「デジタルエコノミーのためのインフラ」として設計されたブロックチェーンだ。
特に、ゲーム、分散型金融(DeFi)、ソーシャルプラットフォーム、仮想世界といった商用規模のアプリケーションでの利用が想定されている。
テストネットの成功は、メインネットへの移行を後押しする大きな要因となった。
開発者とユーザーからの強い需要が証明され、本番環境での稼働準備が整った形だ。
この成功は、Somniaが単なる金融用途だけでなく、リアルタイムでのユーザー体験が求められる分野での市場の隙間を埋める可能性を示している。
100万TPS超の処理能力とSOMIトークンの役割
Somniaチームが強調する技術仕様には、毎秒100万件を超えるトランザクション処理能力(TPS)、1秒未満のファイナリティ、低手数料が含まれる。
また、イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性も備えている。
EVM互換性は、多くの開発者が慣れ親しんだイーサリアム(ETH)のツールやアプリケーションをSomnia上で容易に展開できることを意味する。
テスト段階では、EVM互換ブロックチェーンとして業界記録を樹立した。
1日で19億件のトランザクションを処理したほか、ゲーム「Chunked」単体で5日間に2億5,000万件のトランザクションを記録した実績を持つ。
メインネットローンチ時点で、70以上のプロジェクトと60のバリデーターがネットワークをサポートしている。
ネイティブトークンであるSOMIは、トランザクション手数料の支払い、バリデーターへの報酬配布、そして将来的なガバナンス機能に使用される予定だ。
初期の割り当ては、エコシステムの成長を支援するために活用される。
エコシステム拡大戦略
このプロジェクトは、Improbable、MSquared、Somnia財団から総額2億7,000万ドルの資金コミットメントを得ている。
この資金は、消費者向けのデジタル経済を支えるスケーラブルなインフラとしての地位を確立するために役立てられる。
エコシステム拡大のため、開発者向けに1,000万ドル規模の助成金プログラムや、アクセラレーター「Dream Catalyst」も同時に開始された。
今後24回のハッカソン開催も予定されており、AI、DeFi、SocialFiといった分野での開発を促進する。
Somniaは2025年後半までに月間600億件のトランザクション処理を短期目標として掲げている。
将来的には、SOMIトークン保有者がエコシステムの意思決定に参加できる投票権を持つようになり、Somnia財団がその移行を監督する計画だ。