含み損7800億円でもBTC買い増し|ストラテジー社の勝算

ストラテジー(Strategy)は9日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を追加購入し、保有総数をさらに拡大させた。
140億円相当の追加取得と資金調達
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、同社は2026年2月2日から8日にかけて、1142BTCを約9000万ドル(約140億円)で取得した。
平均取得価格は1BTCあたり7万8815ドル(約1230万円)である。今回の購入資金は、同社のクラスA普通株式(MSTR)を市場で売却するATMプログラムを通じて調達され、約8950万ドル(約139億6000万円)の純手取額を得た。
この追加購入により、同社のビットコイン保有総数は71万4644BTCに達した。取得総額は約543億5000万ドル(約8兆4800億円)となり、1BTCあたりの平均取得単価は7万6056ドルに上昇している。
マイケル・セイラー会長は正式発表に先立ち、ソーシャルメディアで購入を示唆する投稿を行っていた。同社は2020年以降、財務戦略の中核として定期的なビットコイン購入を継続している。
また、同社は2025年度に253億ドル(約3兆9400億円)の資金を調達し、米国の上場企業として最大規模の株式発行体となったことを明らかにしている。
ATMプログラムによる株式発行枠は依然として約80億ドル(約1兆2480億円)残されており、今後も資金調達とビットコイン購入を継続する余地があることを示している。ストラテジーの積極的な姿勢は、業界内で際立っている。
市場の変動と財務の持続可能性
今回の取得は、ビットコイン市場が激しい変動に見舞われる中で実施された。価格は一時、2024年9月以来の低水準となる6万ドルまで急落し、数日で約20%の下落を記録した。
発表時点でビットコインは6万9000ドル付近で推移しており、同社の平均取得単価を下回っている。これにより、約50億4000万ドルの未実現損失が発生しているとみられる。市場の変動は激しいが、仮想通貨への関心は依然として高い。
市場では、損失を抱えながらの資産積み増しに対する懸念から、同社の株価(MSTR)は時間外取引で下落した。しかし、経営陣は財務の健全性に自信を見せている。
フォン・ルCEOは最近の決算説明会で、ビットコイン価格が8000ドルまで下落し、その水準が5〜6年続かない限り、転換社債の義務履行に支障はないと述べた。
アナリストの見方は分かれているが、バーンスタインのアナリストは、同社が2028年まで主要な債務の満期を迎えないよう負債を構成している点を評価している。
また、同社はサイバーセキュリティコミュニティと連携する「ビットコイン・セキュリティ・プログラム」の立ち上げも計画しており、長期的な視点でのエコシステムへの関与を強めている。