韓国警察署で2億円BTC消失|厳重保管のはずが中身空に

韓国の警察当局は13日、ソウルの江南警察署で保管していた暗号資産(仮想通貨)が消失したと明かした。
江南警察署は2021年11月、金融犯罪に関する捜査の過程で被疑者から任意提出された22ビットコイン(BTC)を押収し、保管していた。
発見時のレートで換算すると、その価値は約21億ウォン、米ドルで145万ドル(約2億2000万円)に相当する。これらの資産は、インターネットから物理的に切り離された「コールドウォレット」と呼ばれるUSB型のハードウェアデバイスで管理されていた。
本来、コールドウォレットはハッキングなどの脅威から資産を守るために使用される。
しかし、警察庁による全国的な監査が行われた際、物理的なデバイスは署内に保管されていたものの、中身のデータだけが外部へ送金されていたことが判明した。
元の事件の捜査が一時中断していたため、長期間にわたり資産の状況確認が行われておらず、発覚が遅れたとみられている。
相次ぐ流出と管理体制の不備
今回の消失事案が発覚したきっかけは、別の捜査機関で発生した巨額の流出事件だった。
光州地方検察庁では2025年8月、保管していた320BTC、約400億ウォン相当が消失していたことが2026年1月に明らかになったばかりだ。
この事態を重く見た当局が、全国の法執行機関に対して押収したデジタル資産の管理状況を一斉点検したところ、江南署での消失も明るみに出た。
光州の事例では、フィッシング攻撃によってパスワードなどの認証情報が漏洩したことが原因である可能性が高いとされている。
江南署のケースもこれと酷似しており、デバイス自体は警察の手元にある状態で、不正な送金が行われていた。
捜査関係者は、ウォレットの秘密鍵やパスワードが何らかの方法で第三者に渡ったか、あるいはフィッシング詐欺のような手口で盗まれた可能性があるとみている。このような手口は典型的な仮想通貨詐欺の一種である。
捜査の行方と今後の対策
京畿北部警察庁は、内部関係者の関与の有無も含めて正式な調査を開始した。
現在はアクセスログや保管手順の確認に加え、ブロックチェーン上の取引履歴を解析している。送金先を追跡し、消失したビットコインの回収が可能かどうかを慎重に見極める方針だ。
一連の事件による被害総額は、江南と光州の事例を合わせると4950万ドル(約75億7000万円)を超えている。
法執行機関による仮想通貨の管理体制に重大な脆弱性があることが露呈し、批判が高まっている状況だ。
専門家からは、より厳格な集中管理システムの導入や、規制された専門のカストディ(保管)業者との提携を求める声が上がっており、今後の国家的なルール作りに影響を与えそうだ。