SBI VCトレードとサッポロビール、Web3活用の実証実験を開始

暗号資産取引所のSBI VCトレードは5日、ビールメーカーのサッポロビールと共同で、Web3技術を活用した「ブランド体験拡張」の実証実験を開始した。
この取り組みは、東京・銀座にあるサッポロビールのフラッグシップバー「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」の改装オープンを記念して実施される。
今回の実験は、「完璧な生ビールのおいしさ」と「大人の世界観」というブランド価値を、Web3技術を用いてどのように拡張できるかを検証するものだ。
デジタル技術とリアルな場を融合させ、顧客に新たな楽しみ方を提供することを目的としている。
NFTを活用した特別な店舗体験
キャンペーンの核となるのは、記念NFT(非代替性トークン)の配布と、それを利用した実店舗での体験だ。
参加には満20歳以上であることと、「SBI Web3ウォレット」の開設が必要となる。
対象期間中にエントリー手続きを完了したユーザーには、記念NFTが付与される。
このNFTを銀座の店舗で提示すると、特別な「黒ラベル」の提供を受けることができる。
店舗では、パーフェクト黒ラベル、ファースト、ハイブリッドという3種類の注ぎ方が用意され、NFT保有者はその中から最大2杯まで楽しむことが可能だ。
NFTの配布期間は5日から25日まで、店舗での体験期間は2026年1月31日までとなっている。
特筆すべき点は、配布されるNFTに譲渡制限が設けられていることだ。
このNFTはSBI Web3ウォレットから外部へ持ち出すことや、売買などの二次利用はできない仕様となっている。
これは投機的な目的を排除し、純粋にブランド体験を楽しむためのツールとしてWeb3技術を活用しようとする両社の意図が反映されている。
異業種連携によるWeb3の普及
今回の提携は、伝統的なブランドマーケティングと最先端のデジタル技術の融合を示す事例といえる。
1876年創業のサッポロビールは、企業理念に「新しい楽しさ・豊かさの発見」を掲げており、今回のデジタル革新もその延長線上にある。
一方、SBI VCトレードにとっては、単なる仮想通貨の売買にとどまらず、ウォレットを通じた顧客体験の創出という戦略に合致する。
SBIグループはこれまでも、アソビシステムなど他業種との提携を通じてWeb3エコシステムの拡大を進めてきた。
今回のサッポロビールとの取り組みでも、NFTの発行や管理を含む技術基盤を提供し、消費財メーカーがWeb3領域へ参入する際のハードルを下げている。
規制環境が整備されつつある日本国内において、こうした実需に基づいたWeb3活用事例は今後も増加していくと見られる。