レイ・ダリオ氏、米債務危機に警鐘｜BTCと金へ15%配分推奨

著名投資家レイ・ダリオ氏は28日、増大する米国の債務と経済不安へのヘッジとして、ポートフォリオの最大15%をビットコイン（BTC）と金に割り当てることを推奨した。

ヘッジファンド大手、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者であるダリオ氏は、この資産配分が「中立的な」運用戦略において、リスクに対するリターン率を最適化すると強調した。

同氏は、この提言が伝統的な投資家の間で、マクロ経済リスクに対するヘッジとして暗号資産（仮想通貨）をポートフォリオに組み込む動きが広がっていることを述べた。

深刻化する米国の債務危機

米国の財政問題は、ダリオ氏が警鐘を鳴らす背景にある。連邦政府の債務は国内総生産（GDP）比で125%に達し、年間歳入の6倍を超えている。

今後数年間でさらに12兆ドル（約1,776兆円）の借入が必要と予測されており、財政の持続可能性に対する懸念が高まっている。

同氏は現在の状況を、1930年代や1970年代に起きた歴史的な通貨価値の切り下げと類似していると指摘した。経済が不安定な時期には、米ドルのような法定通貨は金などのハードアセットに対して価値が下落する可能性がある。そのため、代替となる価値の保存手段を確保する必要性が増している。

ビットコインと金の役割

ダリオ氏は、ビットコインが持つ限定的な供給量、取引における有用性、そして世界的に普及する可能性を評価している。一方で、プライバシーに関する懸念や規制上の障壁が、ビットコインが準備通貨としての役割を担う上で制約になる可能性も示唆した。

同氏は個人的に、価値を保存するための「最も純粋な手段」として金を好むと公言している。

しかし、推奨する資産配分にはビットコインも含まれており、仮想通貨へのエクスポージャーを求める投資家にとって実行可能な選択肢であると認めている。ダリオ氏自身も両方の資産を保有しているが、金の保有比率の方が大きいという。

ダリオ氏は、中央銀行がビットコインを積極的に採用する可能性は低いと見ている。その理由として、プライバシー機能の欠如や規制上の課題を挙げた。

それでも同氏は、2021年5月に初めて取得したビットコインを現在も保有しており、その長期的な価値に対する信頼を示している。このような著名投資家の動向は、多くの個人投資家が仮想通貨投資を検討するきっかけとなっている。