米ナスダック、仮想通貨を保有する企業に対して監視強化

米大手証券取引所ナスダックは4日、暗号資産(仮想通貨)を大量に保有する上場企業への監視を強化していることが関係者の話で明らかになった。
資金調達によって得た資金で仮想通貨を購入・保有し、株価をつり上げる動きを問題視している。
報道によると、ナスダックは仮想通貨の購入と保有を明確な目的として資金調達を行う企業を特に精査している。
このような戦略は、一部企業の株価を急騰させる要因となっていた。
投機的ブームへの警戒感
ナスダックは、仮想通貨取得を目的とした新株発行について、株主の承認を求める新たな要件を一部企業に課している。
これに従わない場合は上場廃止も示唆されており、仮想通貨の蓄積を主要戦略とするクリプト・トレジャリー企業を明確に標的としている。
この措置は、中核事業の改善を伴わずに仮想通貨の取得で株価を人為的につり上げる懸念に対応するものだ。
多くの企業が仮想通貨を財務戦略に加えると発表した直後、株価が急騰する現象が確認されている。
専門家は、今回の動きが過去のドットコムバブルやミーム株の熱狂に対する規制当局の対応を反映していると指摘。
金融安定理事会や欧州中央銀行も、仮想通貨に関連する金融リスクを特定していた。
ナスダックの監督強化は、企業が成長の即効薬として仮想通貨利用することで、株主が変動の激しい市場リスクに晒されることへの懸念を反映している。
市場への即時的な影響
ナスダックによる要件強化の報道が、クリプト・トレジャリー戦略を採用する企業の株価に下方圧力をかけている。
例として、ビットコイン BTC +0.20%保有企業ナカモト・ホールディングスと合併したKindlyMDの株価は、4日に16%、合併日から約80%下落した。
この圧力は、ビットコイン価格が11万ドルを割り込むなど、主要仮想通貨の同時下落によってさらに強まっている。
報道によると、ナスダックは仮想通貨を財務戦略とする企業に対し、株主承認を新たなガバナンス上の障壁とする方針だ。
これは、規制強化とイノベーションの両立を目指すナスダックの潮流に沿った動きだ。
この動向は、伝統的な証券取引所と仮想通貨市場の新たな関係性を示している。
ナスダックは、投資家の保護と市場の安定性を確保しつつ、機関投資家の仮想通貨採用を後押しする道筋を作ろうとしている。
ビットコイン以外のデジタル資産も同様の監視下に置かれるかが注目される。