マッチグループ、World IDをTinderに導入|日本で試験運用開始

アルトコイン
暗号資産ジャーナリスト
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マッチングアプリ運営大手のMatch Group(マッチグループ)は1日、World(旧Worldcoin)が開発した分散型ID認証プロトコル「World ID」を、日本のTinderユーザー向けに試験導入すると発表した

高まるユーザー保護と信頼性の需要

Match GroupはTinder(ティンダー)やHinge(ヒンジ)、Plenty of Fish(プレンティ・オブ・フィッシュ)などの親会社である。同社はユーザー間の信頼と安全性を高めるため、World IDの導入を決定した。

この取り組みはまず日本のTinderユーザーを対象とし、年齢確認と本人認証に焦点を当てる。AIが生成したボットや偽アカウントへの対策が主な目的だ。

World IDは、World独自のデバイス「Orb」による生体認証(虹彩スキャン)を利用する。これにより、ユーザーが一意の人間であることを確認する仕組みだ。すでに世界23カ国で1,230万人以上がOrbで本人確認を完了しており、1,500以上のOrbが稼働している。

今回の提携は、プライバシーを保護する技術を探求しつつ、オンラインデーティングにおけるユーザーの安全確保を優先するMatch Groupの広範な取り組みの一環である。

導入を後押しする要因と今後の展望

AI生成プロフィールや自動化ボットの増加に対する懸念が、安全で人間中心の認証ツールへの需要を高めている。また、日本のような市場における厳格化する年齢確認規制も、プライバシーとセキュリティのバランスを取ったソリューションを必要としている。

さらに、デーティングアプリ市場では、ユーザーがデジタルな交流において信頼性を重視するようになり、安全性によって他社との差別化を図るプレッシャーが高まっている。Worldcoinが米国へ進出し、Visa(ビザ)やRazer(レイザー)、Kalshi(カルシ)といった企業と提携していることも、分散型IDエコシステムの主流化への動きを示している。

この試験導入は、将来的にはHingeなどMatch Group傘下の他のプラットフォームや、日本以外の市場にも拡大する可能性がある。Worldのアプリ「World App」も機能強化が進んでおり、Circle(サークル)との連携によるUSDC取引、Stripe(ストライプ)による法定通貨決済、Kalshiによる予測市場への参加が可能になった。

暗号資産(仮想通貨)を法定通貨に交換できる「World Visa Card」の発行も計画されている。ゲーム分野では、WorldcoinはRazerと協力し、小売店にOrbを設置するほか、認証済みユーザー限定のオンライントーナメント「League of Humans」を開催する予定だ。

World IDはゼロ知識証明システムを採用しており、ユーザーは個人情報を開示することなく本人確認を行える点が強調されている。

プライバシー保護は、特に 分散型金融(DeFi) においても重要な課題であり、World IDのような技術はその解決策の一つとなり得る。このような認証技術の進化は、仮想通貨 今後の普及と信頼性向上に貢献すると期待される。

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