ロビンフッド、仮想通貨インフラTarosに出資|4500万ドル調達

機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)の取引インフラを提供する米タロスは29日、米投資アプリ大手のロビンフッド・マーケッツから出資を受けたと公表した。
プロ向け市場で実績を重ねてきた同社だが、個人投資家基盤を持つロビンフッドを新たな株主に迎えることで、デジタル資産インフラとしての地位をより盤石なものにする。
シリーズB拡張で4500万ドル調達、ソニーやフィデリティも参加
タロスは今回のシリーズB拡張ラウンドにおいて、4500万ドルを調達した。
これにより同ラウンドでの調達総額は1億5000万ドルとなり、出資完了後の企業評価額は約15億ドルに達している。
新たな出資者にはロビンフッドのほか、ソニーイノベーションファンド、IMC、QCP、カラテージが名を連ねた。
さらに、既存株主であるa16z crypto、BNY、フィデリティ・インベストメンツも追加出資を行っており、金融・テック業界の有力プレイヤーから幅広い支援が集まった形だ。
タロスは機関投資家に対し、取引実行からポートフォリオ管理までを支援する包括的な技術基盤を提供している。
同社の顧客には世界的な資産運用会社が含まれており、流動性プロバイダーやカストディアン(資産管理機関)との接続機能が同社の強みだ。
また同社は近年、M&A戦略を加速させている。
これまでにコインメトリクスやクラウドウォールなどデジタル資産関連企業4社を買収し、データ分析やリスク管理、DeFiインフラといった機能を強化してきた。
こうした機能拡充が、今回の高い評価額につながったとみられる。
機関投資家の需要増に対応、決済の一部はステーブルコインで
ロビンフッドによる今回の出資は、個人投資家向けサービスと機関投資家向けインフラの融合を示唆している。
ロビンフッドのヨハン・ケルブラットゼネラルマネージャーは、タロスの技術がプラットフォームの流動性深化に寄与するとの見解を示しており、暗号資産(仮想通貨)事業の基盤強化を図る狙いが鮮明だ。
市場では規制枠組みの整備が進むにつれ、機関投資家による本格的な参入需要が高まっている。
タロスは過去2年間で収益と顧客数を倍増させるなど急成長しており、世界最大の資産運用会社ブラックロックとの提携など、大手金融機関による採用も進んでいる。
調達した資金は、プラットフォーム全体の製品開発に充てられる予定だ。
特にポートフォリオ構築やリスク管理ツール、決済システムの強化に重点を置くほか、伝統的な資産クラスがデジタル資産へと移行する流れを見据え、プラットフォームの拡張も計画されている。
なお、今回の出資取引の一部は米ドルなどの法定通貨ではなく、ステーブルコインで決済されたことも明らかになった。
これは機関投資家の取引実務において、ブロックチェーン技術の利用が拡大している現状を反映している。
タロスのCEOは声明で、「世界的に尊敬される機関が投資家として加わったことを誇りに思う」と述べている。