バイナンス創業者CZ氏、急成長DEX「Aster」との公式関係否定

バイナンス(Binance)の創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)は24日、市場で広く囁かれていた分散型取引所(DEX)Aster DEXとの公式な関係を否定した。
CZ氏は、自身のベンチャー企業によるAster DEXの株式の「少数保有」は認めたものの、自身やバイナンスがプロジェクトを公的に支援しているとする憶測を明確に打ち消した。
CZ氏、Aster DEXとの公的関与を否定、元従業員の移籍が混乱の一因に
同氏は、自身の個人的なベンチャー企業であるYZiLabsがAster DEXの株式を少数保有している事実は認めつつも、その関与が市場で誤解されていると指摘。
自身個人、あるいはバイナンスという企業体がAster DEXを公式に支援しているわけではないと強調した。
CZ氏は「私自身はAsterに個人的な出資はしておらず、バイナンスも企業として関与していない」と述べ、両者の関係が公的な提携や支援には当たらないことを明確にした。
市場の混乱を招いた背景として、数名の元バイナンス従業員が現在Asterのチームに加わっている事実を認めた。
しかし、CZ氏はこの見方が誇張されたものであると断固として否定し、誤解を解く姿勢を示した。
この否定発言は、バイナンスという巨大な影響力を持つ企業と新興の分散型プロジェクトとの関係性に対する、市場の過度な期待と憶測を反映している。
記録的な取引高を達成した「Aster DEX」、急騰後の価格動向を分析
CZ氏による公式な関与の否定があったにもかかわらず、分散型取引所Aster DEXが叩き出した実績は市場で無視できないものとなっている。
BNBチェーン上に構築されたこのマルチチェーンの無期限先物取引所は、急速に取引高を伸ばし、市場の注目の的となった。
Aster DEXはわずか24時間で469億ドル(約7兆1080億円)という驚異的な取引高を記録。現在の時価総額は34億ドル(約5083億円)に達しており、新しいプロジェクトとしては異例のスピードでの成長を見せている。
ASTERのトークン価格は、CZ氏の発言や広範な市場の調整の中で落ち着きを取り戻している。
価格は先週一時的に2227%という急騰を記録し、最高値2.40ドル(約359円)に達した後、現在は1.98ドル(約296円)前後で安定している。
これは、価格が底値から最高値まで上昇し、その後反落するという市場の一般的な予測に沿った動きと見られる。今後の焦点は、2ドル(約299円)から2.2ドル(約329円)のサポートラインを維持できるかに移る。
このようなアルトコインの価格変動は、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)や、スマートコントラクトのプラットフォームとして知られるイーサリアム(ETH)など、他の主要アルトコインの動向にも影響を受けることが多く、市場全体の動きを注視する必要がある。