仮想通貨ファンプラ、IEOで10億円突破｜BTC相場回復で市場活況

Coincheck IEOで10月21日から開始したファンプラ（FPL）の申し込み総額が、調達目標金額の10億円を突破した。

ビットコイン（BTC）など暗号資産（仮想通貨）市場が回復基調を見せる中、同IEOは音楽業界とウェブ3技術の融合を目指す試みとして注目を集めた。

仮想通貨ファンプラは、アーティストとファンが直接つながり共創するウェブ3経済圏の構築を目的としたプロジェクトだ。

約400万人のユーザーを抱える国内大手のファンクラブプラットフォーム運営企業、ファンプラス社と連携して事業を展開する。

GLAYやユーバーワールドといった著名アーティストの参加により、数百万人の潜在的ユーザーへのアクセスが可能となっている。

1年ぶり国内IEOが成功した理由

今回のIEOは国内で9例目、コインチェックにとっては4例目の取り組みとなる。

ポリゴンブロックチェーン上で発行されるERC-20規格のトークンで、発行上限は100億FPL。

販売総数は総供給量の10%にあたる10億FPLで、1FPLあたり1.0円で販売された。

IEOの成功には、ファンプラス社が持つ強固なユーザー基盤と、音楽業界との深い関係性が大きく影響した。

すでに10社以上の大手音楽事務所がプロジェクトに参加しており、GLAYも参加を表明している。

ファンの熱量を測定可能な経済的価値に転換する、ファン参加型の経済モデルを構築することで、従来の音楽業界が抱える収益構造の課題解決を目指している。

投機的な価値だけでなく、チケットやグッズの購入、アーティストとファンの交流といった具体的なユースケースに焦点を当てたことが、ブロックチェーン技術の実世界での応用を求める層の関心を引いた。

コインチェックによる厳格なデューデリジェンスプロセスも、プロジェクトへの信頼性を高める一因となった。

推し活が資産になる新たな経済圏

仮想通貨ファンプラの経済圏は、単なるトークン取引に留まらない複数の革新的な機能を備えている。

トークン上場と同時に専用のマーケットプレイス「ファンプラマーケット」が立ち上がり、FPLを利用したコンテンツやデジタルアイテムの取引が可能となる。

将来的には、ファンがアーティストの活動資金の使途決定に参加できるアーティスト・トレジャリー機能や、投票による音楽アワードなどの実装も計画されている。

基盤となるブロックチェーンにポリゴン（POL）を採用したことで、低い取引手数料と利用しやすいユーザー体験を実現している。

FPLトークンは、メタバース内の通貨、限定チケットやグッズの購入、デジタルギフトの送付、運営方針を決めるガバナンス投票など、多岐にわたる実用性を持つ。

今回のIEOの成功を受け、コインチェックは参加者を対象に最大150万円相当のFPLが当たる特別キャンペーンも実施した。

仮想通貨ファンプラIEO成功でプレセールに熱視線

仮想通貨ファンプラのような特定分野でのウェブ3応用が進む一方で、暗号資産市場の基盤そのものを強化しようとする動きも活発化している。

その中で特に注目を集めているのが、ビットコインのレイヤー2として登場したBitcoin Hyper（HYPER）だ。

ビットコイン本来の堅牢性を維持しつつ、スマートコントラクト機能やDeFi機能を追加し、取引処理速度を大幅に向上させることを目的としている。

ソラナの仮想マシンを応用することで、ビットコインの秒間3から7件の取引に対し、理論上6万5000件以上という圧倒的な処理能力を目指している。

市場の停滞期にもかかわらず、HYPERは仮想通貨プレセールで2600万ドル以上を調達し、投資家の強い関心を示している。

プロジェクトの魅力は技術的な側面だけではない。

早期の支援者には年率5000%を超えるステーキング報酬が提供される計画もあり、これが更なる資金流入を後押ししている。

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