サークル社、新ブロックチェーン「Arc」開発へ|USDCガス代

ブロックチェーン
暗号資産ジャーナリスト
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ステーブルコインUSDCの発行元であるサークル社は12日、新たなレイヤー1ブロックチェーンArcの開発計画を明かした。

Arcは、ステーブルコインを利用した金融インフラに特化して設計された、オープンで企業向けのブロックチェーンだ。

ステーブルコイン決済、外国為替取引、資本市場アプリケーションの最適化に重点を置いている。

同ネットワークはイーサリアム仮想マシン(EVM)と完全な互換性を持ち、既存のイーサリアム開発者が円滑に統合できる。

USDCをガス代に利用

Arcの大きな特徴として、ガス代の支払いにUSDCをネイティブトークンとして採用する。これにより、利用者は別のネットワークトークンを必要とせず、USDCで直接手数料を支払うことが可能になる。

また、ガス代の価格変動、取引の遅延、複雑な通貨交換プロセスといった既存ブロックチェーンの非効率性を解決するために開発された。

統合されたステーブルコイン外国為替エンジンや、1秒未満で完了する決済ファイナリティ、選択式のプライバシー管理機能を備える予定だ。

サークル社は発表の中で、Arcは「インターネット金融システムのためのフルスタック・プラットフォーム」を構築する戦略的な一手であると説明した。

今後は、USDCが現在稼働している24以上の他のブロックチェーンネットワークとの相互運用性も維持する方針だ。

このような動きは、従来の金融システムを革新する分散型金融(DeFi)の領域で、サークルが主導的な役割を担おうとしていることを示唆している。

公開テストネットは2025年秋に開始予定で、メインネットの展開に先立ち、開発者や企業がアプリケーションの構築を始められるようになる。

サークルの好調な業績

独自のレイヤー1ブロックチェーン開発という決定は、同社の好調な事業展開を背景にしている。

2025年第2四半期の決算では、総収益が前年同期比で53%増加し、準備金収益は6億5,800万ドルに達した。

2025年6月には新規株式公開(IPO)を成功させ、12億ドルを調達している。

また、バイナンスやOKXなどの主要な金融機関との戦略的提携により、エコシステムを拡大してきた。

国境を越えた取引におけるステーブルコイン基盤への関心が高まっており、専門的なブロックチェーンへの需要が生まれている。

サークル社は、150兆ドル規模の世界の決済市場をターゲットに、Arcをグローバルなデジタル商取引の基盤として位置付けている。

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