日銀、12月会合で0.75%へ利上げの公算|30年ぶりの高水準へ

日本銀行は12日、来週開催される金融政策決定会合において、政策金利を引き上げる公算が大きいことが明らかになった。
30年ぶりの金利水準へ
日本経済新聞社によると、日銀は18日から19日にかけて行われる金融政策決定会合で、現在の政策金利0.5%を0.75%程度へ引き上げる方向で検討している。
これが実現すれば、1月以来の利上げとなる。
政策金利が0.5%を超えるのは1995年9月以来で、約30年ぶりの水準となる。長期にわたる金融緩和からの正常化が、いよいよ本格局面に入る形だ。
ロイターが12日に公表したエコノミスト調査では、回答者の約90%にあたる63人が0.25%の利上げを予想している。
植田和男総裁を含む執行部は利上げ案を提示する意向を示しており、政策委員会の過半数が支持するとの見方が強い。
経済情勢と市場への影響
利上げ検討の背景には、消費者物価上昇率が3年以上にわたり日銀の目標である2%を上回って推移している点がある。
日銀は、実質金利が依然として大幅なマイナス圏にあることを踏まえ、金融引き締めの余地があると判断している。
また、2025年度の国内総生産成長率見通しが0.6%から0.7%へ上方修正されたことも、政策正常化を後押しする材料となった。
植田総裁は、米国の関税リスクが後退し、経済や物価見通しの実現可能性が高まっているとも言及している。
政府もインフレや円安リスクを考慮し、今回の利上げ方針を容認する姿勢を示している。
米国が利下げ局面にある中での利上げとなるため、日米の金融政策の方向性の違いが一段と鮮明になる。
市場では利上げ自体はほぼ織り込み済みとされるが、円を利用したキャリートレードの巻き戻しなどを通じて、世界の金融市場に影響が波及する可能性もある。
こうした金融環境の変化は、株式市場だけでなく暗号資産(仮想通貨)市場にも影響を与え得る。
リスクオフ局面では、ビットコイン(BTC)など主要銘柄の値動きが注目される。
金融政策の転換点を迎える中、仮想通貨投資においても、慎重な判断が求められそうだ。