ビットコインETF、週間32億ドル流入で過去2番目の規模

米国のビットコイン(BTC)現物ETFは3日、1日で9億8508万ドルの純流入を記録した。
このETFへの資金流入の急増は、ビットコイン価格が史上最高値の約12万4000ドルに迫る中で起きている。ビットコインは10月に入ってから既に10%以上の上昇を見せている。
政府閉鎖と歴史的傾向が流入を後押し
SoSoValueのデータによると、この流入額はビットコインETFがローンチして以来、2025年1月6日の9億8700万ドルに次ぐ過去2番目の規模である。
同日、イーサリアム(ETH)現物ETFにも2億3400万ドルの純流入があり、両資産クラスは5日連続で資金流入が続いた。
10月3日までの1週間で、ビットコインETFは合計32億4000万ドルの純流入を記録した。これは2025年で最大の週間流入額であり、2024年1月のETFローンチ以来、2番目に大きな週間流入額となる。
特にブラックロックのIBITは週間で18億ドルの流入を集め、総運用資産額は962億ドル(約14兆1414億円)に達した。
今回の顕著な資金流入は、米国政府の一部閉鎖という状況下で発生した。
アナリストは、政府の不確実性が高まる中、ビットコインや金といった安全資産への資金逃避が進んでいると指摘する。
また、暗号資産(仮想通貨)に関する規制の明確化も、投資家がETFのような馴染みのある手段を通じてデジタル資産にアクセスする自信を高める要因となっている。
歴史的にビットコインのパフォーマンスが2番目に良い月として知られる10月は「Uptober」と呼ばれ、機関投資家の買いを誘引する傾向がある。
前週の9億200万ドルの純流出から今回の巨額な純流入への転換は、機関投資家のセンチメントが変化していることを示している。伝統的な金融機関がデジタル資産へのエクスポージャーを積極的に求め始めている。
フィデリティのビットコインETFも堅調で、価値保存手段としてのビットコインに対する機関投資家の長期的信頼を反映している。
市場は強気相場の前兆と分析
週間で32億4000万ドルというビットコインETFの流入額は、前週の流出からの劇的な回復を意味する。これにより過去4週間の累計流入額は約40億ドルに迫った。
市場アナリストは、10月に見られるこの力強い機関投資家の買いパターンが、歴史的にビットコインの大幅上昇に先行してきたと指摘する。
同時期に金価格も史上最高値を更新しており、政府の先行き不透明感の中で安全資産への需要が高まっていることを示している。
イーサリアムETF市場も週間で13億ドルの純流入を記録し、それまでの流出傾向から大きく回復した。
トレーダーやアナリストの間では、ETFへの資金流入という蓄積パターンが2026年にかけて「パラボリックな上昇」を引き起こす可能性があるとの見方が広がっている。
一部では、今回のETF活動の急増を過去の仮想通貨強気相場に先行した蓄積フェーズと重ね合わせる声も出ている。