バイナンスウォレットに新機能、x402関連トークン投資支援へ

暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスが開発するバイナンスウォレットは24日、新たなリスティング機能x402を公開した。
ユーザーは、ウォレットアプリ内のマーケットタブから、x402プロトコルに関連する最新トークンを検索し、取引できる。
この動きは、インターネット上での小額決済を円滑にする新たな試みとして注目される。
小規模決済を革新する「x402」プロトコル
x402は、米コインベースなどが推進するHTTPベースのオープンな決済プロトコルだ。
アカウント登録やAPIキー、サブスクリプションを必要とせず、インターネットネイティブなマイクロペイメント(小額決済)を実現することを目的とする。
このプロトコルは、従来の金融システムでは数日かかることもある決済を、ほぼ瞬時に完了させることが可能だ。
特定のブロックチェーンに依存しない設計のため、支払いに使用する仮想通貨やトークンを柔軟に選択できる利点を持つ。
技術的には、HTTPステータスコード402(Payment Required)を基盤としており、Web3の決済体験を最適化する。
特に、コンテンツやサービスの対価を支払う場面での活用が期待されている。
実用的なマイクロペイメントのユースケースとして、USDCのようなステーブルコインの利用が重視されている。
市場の反応と今後の展望
x402関連トークンの市場は現在、活況を呈している。関連トークンの時価総額合計は265%増の1億8,000万ドルに達している。
この動きに追随し、Gate Web3も独自のx402プロトコル取引ゾーンの設置を発表している。
一方で、仮想通貨コミュニティの反応は一様ではない。一部からは、バイナンスが信頼性の低い可能性のあるトークンの上場を促進しているとの批判が出ている。
「世界最大の仮想通貨取引所として、安易な宣伝や詐欺的なプロジェクトを助長するべきではない」との声が上がった。
x402プロトコルは、AIエージェントが自律的に取引を完了させることもサポートする設計だ。
今回の統合は、AI技術と仮想通貨決済システムを結びつける架け橋となる可能性を秘めている。
バイナンスは27日、Binance Alphaなどの新機能ローンチも予定しており、一連の動きは同社のサービス拡充戦略の一環とみられる。