テザー、チリ仮想通貨取引所に戦略的出資|南米市場へ本格参戦

仮想通貨取引所
暗号資産ライター
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ステーブルコインUSDT発行大手のテザーは3日、チリの暗号資産(仮想通貨)取引所オリオンXへ戦略的投資を発表した

今回の投資額は非公開だが、南米地域でのステーブルコイン普及拡大を目指す取り組みとして位置付けられる。

オリオンXの事業展開と投資の背景

オリオンXはチリを拠点とする仮想通貨取引所であり、チリ、ペルー、コロンビア、メキシコの4カ国で事業を展開している。同社は国際送金ソリューションや仮想通貨決済回収、ステーブルコインを基盤とした資金管理サービスを提供する。また、今回の投資は同社のシリーズA資金調達ラウンドの一環として実施された。

テザーのパオロ・アルドイノCEOは、本提携がデジタル決済とステーブルコインインフラ発展において重要な役割を果たすと強調する。両社は国際送金や決済ソリューションなど実用的なアプリケーションに焦点を当てた協力を進める方針だ。

ラテンアメリカでのステーブルコイン需要拡大

ラテンアメリカ地域では近年、ステーブルコインの採用が急速に拡大している。背景には、アルゼンチンの200%を超えるインフレ率や、ブラジルなど他国での通貨ボラティリティなどの経済的課題がある。USDTなどのステーブルコインは、現地通貨の不安定性に対するヘッジ手段として機能している。

チェイナリシスの報告によると、2023年7月から2024年6月の間、ラテンアメリカ地域には約4150億ドルの仮想通貨流入があり、その大部分はステーブルコインによるものであった。ブラジルの明確な仮想通貨規制やメキシコでの採用拡大により、同地域は仮想通貨企業にとって優先市場となっている。

今回の投資により、オリオンXはプラットフォーム拡張や法定通貨と仮想通貨の変換ツール改善、さらにはより多くのラテンアメリカ諸国へのサービス拡大が支援される見通しだ。テザーにとっても、新興市場でのデジタル金融包摂促進策の一環として、十分な銀行サービスを受けられない人々への対応が期待される。

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