YouTube、仮想通貨ギャンブル規制明確化｜Web3関連は対象外

YouTubeは6日、オンラインギャンブルに関するポリシーを更新し、暗号資産（仮想通貨）ゲームやWeb3関連コンテンツへの影響について明確化した。

同社は2025年11月17日から、オンラインギャンブルに関するコミュニティガイドラインの執行を強化する方針を発表していた。

しかし当初の発表では、仮想通貨コミュニティ内で大きな懸念が広がっていた。

ポリシー明確化の背景

当初の発表の中で、「NFTやブロックチェーン上の収集品」などがギャンブル目的で使用された場合、金銭と同等と見なすと言及された。

この方針は、これらのデジタル資産を用いたギャンブルを助長したり、関連プラットフォームへリンクしたりするコンテンツを対象とするものだった。

違反したコンテンツは、年齢制限や収益化の停止、さらには削除の対象となる可能性があった。

この発表を受け、仮想通貨およびWeb3コミュニティから強い反発が起きた。

多くのクリエイターは、実際のギャンブルとは無関係なブロックチェーンゲームやNFTに関する正当なコンテンツが、不当に規制対象となることを懸念した。

「デジタルグッズを使ったギャンブル」という表現の解釈が広すぎることが問題視された。

NFTの取引や仮想通貨ゲームの紹介動画までもが、オンラインギャンブルと見なされる恐れがあったからだ。

今回のYouTubeによる明確化は、こうした業界からの反発に応える形となった。

同社は、実際のギャンブル行為に関与しない正当なWeb3コンテンツ制作者が、意図せず不利益を被る事態を避けたい考えだ。

過去の規制との違いと今後の展望

YouTubeの広報担当者は、「ギャンブルプラットフォームを宣伝したり、収益を約束したりしない動画は影響を受けない」と述べた。

これにより、正当なWeb3コンテンツと禁止されるギャンブルの宣伝との間に明確な境界線が引かれた。

この動きは、2025年3月19日のポリシー変更とは異なる。当時は未承認のギャンブルサービスへの言及やロゴ表示が禁止されたが、今回はデジタル資産を利用したギャンブルという新たな問題に特化している。

今回の対応は、特に若年層の視聴者をギャンブルの危険から守るという責任を果たしつつ、新たな技術に関する健全な議論を不必要に制限しないためのバランスを取る試みと見られる。