スイス議会、ビットコインマイニングの電力活用案を可決

スイス・ベルン州議会は29日、ビットコイン（BTC）マイニングを活用した電力網の安定化と余剰電力活用の可能性を調査する動議を可決した。

賛成85票、反対46票で可決された本動議は、超党派グループ「議会ビットコイングループ」が提案。

サミュエル・クルマン議員らが主導し、23名の議員が参加する同グループは、米国テキサス州の事例を参考に包括的な調査を要請した。

With a clear verdict of 85 to 46 votes the parliament of @kanton_bern demands a report on the potential of #Bitcoin mining to stabilize our #energygrid and the use of otherwise wasted #energy.
The proposal was co-sponsored by @simonryser (Green Liberal Party), @KorabRashiti1… pic.twitter.com/WnTNzNdPi4

— Samuel Kullmann (@samuelkullmann) November 28, 2024

テキサス州の成功モデルに注目

テキサス州では、ビットコインマイニング事業者が柔軟な電力消費者として機能。電力過剰時には余剰電力を吸収し、不足時には消費を抑制することで、電力市場の安定化に貢献している。

この成功事例は、再生可能エネルギーの拡大を目指すスイスの政策目標と合致する。スイスのエネルギー政策において、持続可能性と効率性の両立が重要課題となっている。

州政府の懸念と議会の判断

ベルン州政府評議会は当初、データセンターや電気自動車など他セクターとの電力競合を懸念し、本動議に反対。また、ビットコインが法定通貨でないことや中央銀行の管理外である点も指摘した。

しかし議会は、投資誘致や雇用創出の機会損失を避けるべきとの判断から、調査実施を決定した。エネルギー利用の最適化に向けた新たな試みとして、期待が高まっている。

今後の展望と期待される効果

調査で肯定的な結果が得られれば、ビットコインマイニングはベルン州のエネルギー戦略の重要な要素となる可能性がある。

電力網の安定化に加え、再生可能エネルギーの統合促進や地域経済の活性化も期待される。

米国やブラジルなど他国でもビットコンの戦略的活用が検討されており、スイスの取り組みは国際的な注目を集めそうだ。この取り組みが成功すれば、他の地域でも同様の施策が検討される可能性が高い。