ストラテジー、ビットコイン購入を一時停止|7月以来初

ストラテジー社は9月29日から10月5日の週にかけて、ビットコイン(BTC)の追加購入を実施していないことを明らかにした。
米国証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、暗号資産(仮想通貨)購入の代わりに1億4000万ドルを優先株の配当支払いに充当した。
同社が定期的なビットコインの購入を中断するのは、2025年7月末以来初めてのこととなる。
株主への配当義務を優先した戦略転換
今回の購入停止は、株主への配当支払いを優先した結果であると考えられる。
ストラテジー社はこれまで、企業財務戦略の一環として、一貫して週次でのビットコイン購入を継続してきたため、今回の中断は注目に値する動きとなる。
10月6日時点でのビットコイン価格は約7万3983ドルで推移しており、市場環境が同社の現金管理に関する判断に影響を与えた可能性もある。
世界有数のビットコイン保有企業としての地位を維持しつつ、株主に対する財務的義務を果たすという、戦略的なバランス調整を反映している形だ。
同社は1998年6月に新規株式公開(IPO)を果たして以来、株主への配当支払いを重要な財務方針の一つとしてきた。
今回の1億4000万ドルという配当額は、同社の財務体力を示すと同時に、株主還元への強いコミットメントを示している。
ビットコイン戦略企業としての新たな段階
ストラテジーは、1989年にマイケル・セイラー氏らによって設立された、ビジネスインテリジェンスやクラウドサービスを専門とする米国の企業だ。
近年、新しい仮想通貨市場での存在感を高めており、社名をマイクロストラテジーからストラテジーへと変更した経緯がある。
同社の2021年時点での従業員数は約2100人とされるが、将来性が高いビットコインへ注力するにつれて事業構造も変化している可能性がある。
ビットコイン購入を一時停止した今回の戦略的判断は、テクノロジー企業と仮想通貨保有企業という二つの側面を持つ財務アプローチが、新たな段階に入ったことを示唆している。
同社のこのような動きは、主要なアルトコイン市場にも影響を与える可能性があるため、多くの投資家が注視している状況だ。