ソラナ、ストレステストで毎秒10万7540件の処理を記録

ソラナ(SOL)は17日、メインネット上でストレステストを実施し、1秒あたり10万7540件の取引処理を記録した。
これは同ネットワーク史上最高の処理性能となり、ブロックチェーンの処理能力における重要な技術的マイルストーンとなった。
記録はCavey Coolと呼ばれるバリデーターによって処理された単一ブロック内で達成。
このブロックは4万3016件の成功した取引と50件の失敗した取引を処理し、ピーク時に10万7540TPSを記録した。
ストレステストの仕組みと実態
今回の記録は、ノーオペレーション(noop)と呼ばれる軽量の命令によって達成された。
これらの命令は状態を変更せず、ネットワーク容量のストレステストに使用される特殊な取引で、通常の送金や複雑なアプリケーション使用とは異なる。
実行時のコンピューティングユニット(CU)は低いものの、署名検証やデータロード、その他の実行以外のオーバーヘッドが含まれる。
そのため、低コストのオラクルアップデートに匹敵するネットワーク負荷が発生する。
実用性能との乖離と将来の可能性
ソラナのストレステストの結果は理論的上限を示すものの、実際のユーザー向けスループットは大幅に低い水準にある。
オンチェーントラッカーのSolscanによると、平均TPSは3700で、その約3分の2がバリデータ投票取引となっている。
ChainspectとSolscanは、実際の支払いとアプリケーションの有効スループットを約1000TPSと推定している。
開発者らは今回のテストから、実際の送金やオラクル更新といったオペレーションで8万から10万TPSが理論的に可能であることが示されたと説明している。
Jump CryptoのFiredancerバリデータクライアントは、テスト環境で120万TPSを超える性能を既に実証しており、将来的にはさらに高い処理能力の実現が期待されている。
今回の記録は、高速処理を必要とするDeFiや中央銀行デジタル通貨(CBDC)の基盤としてのアルトコインの可能性を広げる成果となった。