ソラナ、Firedancerがメインネットで稼働|3年の開発経て

ソラナ財団は13日、新たなバリデータクライアントであるファイアダンサー(Firedancer)がメインネットで稼働を開始したと明かした。
このクライアントは、ジャンプ・クリプトが3年以上を費やして開発したものだ。ソラナ(SOL)のエコシステムにとって、インフラ面での重要な節目となる。
ファイアダンサーは、ソラナのテストネットで100日以上にわたる広範なテストを受けた。その間、重大な事故やダウンタイムを起こすことなく、5万以上のブロック生成に成功している。
ネットワークの安定性と技術革新
ファイアダンサーの最大の特徴は、C言語およびC++を使用してゼロから独立して開発された点にある。既存のクライアントとは異なる基盤を持つことで、ネットワークの堅牢性が高まる。
これまでソラナは、主にアガベクライアントに依存していた。
専門家はこれを「バグの単一障害点」と指摘しており、クライアントの多様化が急務とされていた。
新たなクライアントの導入により、特定のソフトウェアに不具合が生じても、ネットワーク全体が停止するリスクを軽減できる。
これは、イーサリアム(ETH)などが採用している安全対策と同様のアプローチだ。
技術面では、モジュール式の設計を採用し、ネットワーク機能やトランザクション検証などの重要機能を分離している。これにより、関連する障害を最小限に抑えることが可能になった。
ジャンプ・クリプトのケビン・ボウエンズ氏は、新クライアントの意義を強調。同氏は、これによりネットワークが混雑することなく、高性能なdAppsをサポートできるようになると述べている。
バリデータの採用状況と市場反応
メインネットでの稼働開始後、ファイアダンサーは急速に普及している。
現在、ソラナのアクティブなバリデータの20%以上で稼働しており、ステーキングされたSOL全体の約20.9%を占める。
この数値は、2025年6月時点の8%から大幅に増加したものだ。MEV(最大抽出可能価値)の効率性における初期のトレードオフにもかかわらず、バリデータからの信頼は厚い。
ファイアダンサーの導入は、ソラナの広範な技術ロードマップの一部だ。今後はコンセンサスの調整を強化するアルペングロー(Alpenglow)アップグレードなども予定されている。