Sui開発企業Mysten Labs、ブータンでオフライン実証実験完了

アルトコイン
Sui DeFi Researcher / Scallop Ambassador
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レイヤー1ブロックチェーン、スイ(SUI)を開発するMysten Labsは10日、ブータンで実施していた技術実証実験を完了した。

この実験は、インターネット接続が安定しない過酷な環境下で、ブロックチェーンがどの程度機能するかを検証することを目的としている。

物理的なデータ運搬とドローンの活用

従来のブロックチェーンシステムは、常時インターネットに接続されていることを前提に設計されてきた。

一方、今回のプロジェクトは通信インフラが十分に整っていない地域での技術展開という課題に焦点を当てている。

Mysten Labsはブータン政府と協力し、国内の険しい地形に点在する農場や森林、小規模コミュニティを支援するツールの可能性を検証した。

今回の実証実験では、デバイスがオフライン状態に陥った場合でも、Suiネットワークとしての有用性をどこまで維持できるかがテストされた。

ブータンのヒマラヤ山脈に広がる急峻な地形は、無線通信を容易に遮断してしまう。

公式ブログによると、地図上では信頼できるように見えた通信手段も、実際の現地環境では機能しないケースが多かったという。

そこでチームは、オフラインで署名し、物理的に運び、オンチェーンで検証するという新しい手法を採用した。

通信が途絶えた地域では、ドローンが物理的な架け橋として機能した。

ドローンは署名済みのメッセージを回収し、尾根を越えて通信可能な地点まで運搬する役割を担った。

これにより、ネットワークが不安定な環境でもデータの完全性を保ったまま、ブロックチェーンに記録できることが示された。

センサーがウォレットとして機能

実験では、遠隔地の谷に設置されたセンサーが重要な役割を果たした。

これらのセンサーには軽量な暗号化機能が組み込まれており、Suiのトランザクションを直接生成できる。

つまり、センサー自体が低電力の仮想通貨ウォレットのように機能した形だ。

各メッセージには固有のタイムスタンプと署名が付与され、なりすましや改ざんを防止する仕組みとなっている。

トランザクションは帯域幅を節約するため最小サイズに圧縮された。

Suiが備える軽量な署名方式と高速な検証機能が、この仕組みを支える重要な要素となった。

Mysten Labsは、今回の取り組みが製品ローンチではなく、あくまでエンジニアリング上の実証実験であると強調している。

それでも、この技術は環境モニタリングや資源管理などの分野で新たな可能性を示すものだ。

オフライン環境での活用事例は、Suiの実用性を高めるだけでなく、より広範なWeb3技術の社会実装に向けた重要な一歩といえるだろう。

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