ハイパーリキッド、API障害で自動返金実施|ハッキングを否定

分散型取引所(DEX)大手のハイパーリキッドは30日、トラフィックの急増が原因でAPIに障害が発生したことを受け、影響を受けた利用者への自動返金を行うことを明かした。
この障害は、日本時間の29日23時10分に始まり、30分以上にわたって続いた。期間中、トレーダーからは注文が正常に執行されないとの報告が相次いでいた。
また、主要市場との間で約9ドルの価格乖離も確認された。
同DEXプロトコルは、セキュリティー侵害や不正利用はなかったと断言。注文執行の遅延によって損失を被ったトレーダーを補償するため、自動返金システムも導入する。
障害の原因と対応
障害の引き金となったのは、記録的なユーザー活動による突発的なアクセス急増だった。
同DEXプロトコルによると、前例のない規模のトラフィックがAPIサーバーに集中し、過負荷状態に陥ったことが原因だったという。
障害発生直前にはマイナスの資金調達率が観測されており、これが取引量を増大させた可能性がある。
同DEXプロトコルは今後、同様の事態を防ぐため、インフラを強化する方針を示している。
また、取引はプロトコルの調整を経て、同日午後2時47分までに再開している。
HYPE価格にも影響
この障害を受け、ハイパーリキッドのネイティブトークンであるHYPEは2.92%下落し、43.10ドルとなった。
今回の出来事は、急成長する仮想通貨市場におけるインフラの重要性を改めて浮き彫りにした。
24時間の取引高も10%以上減少し、5億174万ドルにとどまった。
この障害は、DelphiやSpartanが支援するハイパーリキッド基盤の取引アプリBasedAppにも影響を及ぼし、注文の受付が失敗する事態となった。
ハイパーリキッドは、過去12カ月で1兆5,710億ドルの取引高を記録し、今年6月には5,600万ドルの手数料収益を上げるなど、高い実績を誇る。
最近では、Sonnet BioTherapeuticsとの合併を通じてHyperliquid Strategiesを設立し、仮想通貨投資企業としての基盤も強化している。