仮想通貨投資商品で資金流出加速｜BTCとETHの売り越し目立つ

暗号資産（仮想通貨）投資商品はこのほど、資金流出が加速していることが明らかになった。

資産運用会社コインシェアーズの週間レポートによると、11月22日までの1週間で仮想通貨関連投資商品から19億4000万ドルが純流出。これは2018年以降で3番目に大きい流出額に相当する。

直近4週間の累計流出額は49億2000万ドルに達し、運用資産残高の約2.9％に相当する規模となっている。

ビットコインとイーサリアムの動向

銘柄別では、ビットコイン（BTC）が12億7000万ドルの流出となり、全体の過半数を占めた。

イーサリアム（ETH）も5億8900万ドルの流出を記録しており、流出額は運用資産残高の7.3%に到達。相対的に大きな影響を受けた形だ。

週間全体では売り越しとなったものの、週末にかけて市場のセンチメントに変化が見られた。

金曜日にはビットコインに2億2500万ドル、イーサリアムに5750万ドルの流入があった。

また、リップル（XRP）は市場の傾向に逆行し、8930万ドルの流入を記録している。

市場環境と投資家の心理

今回の資金流出の背景には、金融政策の不確実性が影響していると考えられる。さらに、大口保有者（クジラ）による売り圧力が市場全体の勢いを弱める要因となった。

価格の下落と資金流出が重なり、運用資産残高は直近の高値から36%減少している。

下落相場で利益を狙うショートビットコイン商品は、3週連続で資金流入を記録した。年初来で資産規模は119%増加しており、一部の投資家の間で弱気な見方が広がっている。

一方で、年初来の累計流入額は444億ドルと高水準を維持しており、機関投資家の関心は継続しているようだ。