バイナンス創業者、FT報道を「完全なフェイクニュース」と否定

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)創業者は23日、ファミリーオフィスが外部資金の調達を検討しているとするフィナンシャル・タイムズの報道を強く否定した。
同氏は自身のXアカウントで、この報道を「完全なフェイクニュース」と断じ、内容の正確性に真っ向から反論した。
FT報道とCZ氏の真っ向対立
FTは記事の中で、ジャオ氏のファミリーオフィス YZi Labs のエラ・ジャンCEOが「外部投資家からの関心は常に高い」と述べ、「将来的に外部向けファンドへの転換を検討する可能性がある」と伝えた。
しかし、ジャオ氏はXへの投稿で「YZi Labsは外部資金を一切調達していない。ファンドのためのデモなど存在しないし、事業計画書を作成した事実もない」と強調し、報道を全面否定した。
YZi Labsは2024年、ジャオ氏がバイナンスCEOを退任した後に旧バイナンスラボから改称された組織で、同氏の個人資産やイー・ヘ共同創業者をはじめとするバイナンス初期幹部の資金を運用している。
その規模はおよそ100億ドルに達するとされ、このような大規模な仮想通貨投資は、市場全体に大きな影響を与えうる。
報道の背景と食い違う主張
FT報道の背景には、仮想通貨に特化したベンチャーキャピタルへの投資熱の高まりがある。
記事ではその一例として、ギャラクシー・デジタルが6月に設立したファンドを挙げ、同社が目標の1億5000万ドルを上回る1億7500万ドルの資金を外部投資家から集めたと伝えている。
さらにFTは、米証券取引委員会(SEC)がYZi Labsのデモデイを欠席した後、同社の投資先企業に関する非公開プレゼンテーションを要求したと主張。
加えて、トランプ政権下で任命されたポール・アトキンスSEC委員長の下で、デジタル資産により友好的な環境が整いつつあるとも示唆した。
しかしジャオ氏はこれらの主張を全面的に否定。「YZi Labsは改称以降、外部投資家を一切探していない」と強調し、アトキンス氏との接触やSECからのデモ要請についても「事実無根」と反論した。
また、FTによるジャンCEOへのインタビューを「失敗した罠だ」と厳しく批判している。
ジャオ氏はマネーロンダリング対策の不備に関する罪を認め、4カ月の服役を終えたばかりだ。現在もバイナンスの筆頭株主であり、有罪判決に対して大統領恩赦を求めている。
今回のFT報道とジャオ氏の強い反発は、規制当局の監視が続く中で、YZi Labsの資本戦略をめぐる不透明感を一層際立たせる結果となった。
一方で同氏は、YZi Labsがブロックチェーンと暗号資産の長期的な成長に注力していることを改めて強調している。