ブータン政府、342億円相当のBTCを新ウォレットへ送金

ブータン王国政府はこのほど、現在の価格で約2億2970万ドルに相当するビットコイン(BTC)2011枚を新たなウォレットへ送金したことが分かった。
弱気市場での戦略的資産移動か
この動きは、前週の9月17日に行われた大規模な送金に続くものだ。
その際、同国政府が管理すると特定されたウォレットから、913BTC、約1億700万ドル(約159億4300万円)相当が送金されていた。
OnchainLenseのデータも合わせると、最近の送金総額は2011BTCに達する。
一連の送金は、米連邦準備制度理事会(FRB)が2025年に入って初の利下げを実施した直後と重なる。
市場分析では、この金融政策の転換が 暗号資産(仮想通貨)市場内の資金移動を活発化させたと指摘されている。
当時、 仮想通貨市場は全体的に弱気なセンチメントに包まれていた。
調査機関の10x ResearchやMatrixportは、 ビットコインの今後の価格下落を予測しており、市場の警戒感が高まっていた状況だ。
特に、オプション取引参加者や大口保有者、現物 ビットコインETFの動向からはネガティブな見方が広がり、109899ドル(約1637万円)が重要なテクニカルポイントとして注目されていた。
このような市場環境が、ブータン政府のデジタル資産に関する国庫管理の判断に影響を与えた可能性がある。
国家戦略としての仮想通貨管理と展望
ブータンは、国内の豊富な水力発電資源を活用し、以前からビットコインの マイニング事業に携わっている。
これは、再生可能エネルギーを活用しつつ経済の多角化を図る国家戦略の一環と位置付けられている。
今回の連続した動きは、有利な市場条件を活かす一方で、相当な準備高を維持する戦略的なアプローチを示唆する。
送金の目的は、ポートフォリオのリバランス、運営資金の確保、あるいはより安全なコールドストレージへの移動といったセキュリティ対策の可能性も考えられる。
市場追跡プラットフォームのArkham Intelligenceによると、ブータンが保有する仮想通貨の一部は、過去数ヶ月にわたり大手取引所の バイナンスなどで売却されてきた。
一連の送金後も、政府の ウォレットには依然として9232BTC、約10億4000万ドル(約1550億円)という大規模な戦略的準備高が維持されている。
これはデジタル資産に対するバランスの取れた管理姿勢を示している。
今回の政府による資産移動は市場の注目を集めたものの、直後24時間の仮想通貨市場は横ばいで推移した。
この事例は、主権国家がデジタル資産を国庫管理戦略に組み込み、慎重なポートフォリオ管理を行っている実態を浮き彫りにしたと言えるだろう。