BitGo、米国IPOで310億円超調達へ|評価額3100億円目指す

暗号資産(仮想通貨)カストディ企業のBitGoは12日、米国での新規株式公開(IPO)に向けた価格帯と評価額の詳細を明らかにした。
最大310億円超の調達を計画
BitGoは約10年の運営実績を持つカストディプロバイダーだ。同社は今回、1180万株を1株あたり15ドルから17ドルの範囲で提供する計画を明らかにした。
この売り出しには、BitGo Holdingsからの新規発行株1100万株と、既存株主からの82万1595株が含まれる。
価格帯の上限で計算した場合、総調達額は最大で2億100万ドルに達する見込みだ。
同社はニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を予定しており、ティッカーシンボルは「BTGO」となる。IPOは2026年1月22日に実施される見通しだ。
今回のIPOにおける目標評価額は19億6000万ドルに設定された。これは2023年のプライベートラウンドでの評価額17億5000万ドルから15%の増加を表している。
主幹事にはゴールドマン・サックスが指名され、シティグループもブックランニングマネージャーとして名を連ねている。
同社は2025年に米証券取引委員会(SEC)への登録を済ませていた。
競争激化する市場での差別化
BitGoの上場は、BullishやCircleなどが2025年に成功させた一連の仮想通貨関連企業の上場に続くものだ。これらの事例は、インフラ企業が安定した収益モデルを構築できることを示している。
仮想通貨カストディ市場全体は8030億ドル規模に達し、機関投資家の需要や規制の明確化により急速に拡大している。特に米国の「GENIUS法」などが追い風となっている。
一方で、市場には関税による変動や政府閉鎖の影響など、不透明な要素も残る。また、AI関連株の売りなどが投資家のリスク許容度を冷え込ませている側面もある。
投資家は、2025年10月の市場急落を経て、収益の質や規制リスクを慎重に見極める姿勢を強めている。BitGoはドイツやドバイでのライセンス取得に加え、米国での銀行チャーター保有を強みとする。
また、同社はビットコイン(BTC)などの主要銘柄を安全に保管する技術で高い信頼を得ている。
多角的な事業モデルと今後の展望
BitGoの事業モデルは、カストディ業務にとどまらず、ステーキングやOTC取引、現実資産(RWA)のトークン化まで多岐にわたる。
このハイブリッドなアプローチが同社の価値提案の中心だ。
同社は2025年の第3四半期までの9カ月間で、約100億ドルの収益を上げたと報告されており、急速な成長を示している。
Crossover Marketsとの提携も、機関投資家向けの機能を強化するものだ。
今回のIPOで得た資金は、技術開発やコンプライアンス強化、事業拡大への投資に充てられる。市場アナリストは、このIPOがカストディ分野の評価基準を測る試金石になると見ている。