ブラックロック、ステーキング付きイーサリアム信託を登録

米資産運用最大手ブラックロックは20日、デラウェア州で新たなイーサリアム(ETH)関連の信託を登録した。
州の法人記録によると、新設された法人は「iShares Staked Ethereum Trust」と名付けられている。
これは、同社が以前承認を受けた現物ETFとは異なり、ステーキング機能を組み込んだ投資商品を計画していることを示唆するものだ。
デラウェア州での法人登録は、通常、米国証券取引委員会への正式なETF申請の前段階として行われることが多い。
今回の動きは、機関投資家向けに利回りをもたらす暗号資産(仮想通貨)商品の提供に向けた、戦略的な布石と見られている。
ステーキング機能の導入に向けた動き
これまでの経緯として、SECは2024年5月にイーサリアムの現物ETFを承認している。
しかし、当時は規制上の懸念から、申請企業はステーキングに関する条項を削除せざるを得なかった。
ステーキングとは、保有する仮想通貨をネットワークに預け入れることで、報酬を得る仕組みのことだ。
今回の新信託の名称に含まれる「Staked」という言葉は、投資家がイーサリアムのコンセンサスメカニズムから収益を得られる可能性を示している。
ブラックロックの既存のイーサリアムETF「ETHA」は、すでに29億3000万ドルの資金流入を記録し、市場で最大のシェアを誇る。
今回の動きは、単なる価格変動への投資だけでなく、インカムゲインへの需要に応えるものだ。
競争激化と規制環境の変化
競合他社も同様の動きを見せており、市場競争は激化している。
21Shares(21シェアーズ)やFidelity(フィデリティ)などの大手も、自社のイーサリアムETFにステーキング機能を追加しようと模索している。
規制環境も変化しつつあり、SECによる一部の仮想通貨関連商品への要件緩和が、こうした動きを後押ししている側面がある。
すでに市場では、REX-Ospreyなどが仮想通貨ステーキング報酬を投資家に分配するETFを登場させており、需要の実証が進んでいる。
ブラックロックによる今回の登録は、イーサリアムが伝統的な金融システムへさらに深く統合されることを意味する。
機関投資家による大規模なステーキング参加が実現すれば、ネットワークのセキュリティ向上とともに、経済的な影響も大きいと予想される。