ブラックロックのビットコインETF、運用資産が80万BTCを突破

資産運用会社ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」は8日、運用資産が80万BTCを突破した。
公式データによると、IBITは80万2257BTCを保有しており、時価にして約970億ドル(約15兆円)に相当する。これは、ビットコインの総供給量2100万枚のうち約3.8%を占める規模だ。
この節目は、8営業日連続の資金流入によって達成された。期間中に40億ドル超の資金が流入し、特に7日には4億2620万ドルの純流入を記録している。
機関投資家の資金流入が加速
IBITは2024年1月に取引を開始して以降、急速に最大級のビットコイン保有機関へと成長した。ビットコイン最多保有を誇っていたストラテジー社の保有量64万31BTCをすでに上回っている。
ブラックロックはIBITを、機関投資家が伝統的な金融インフラを通じて将来性あるビットコインに直接アクセスできる、規制下の金融商品として位置づけている。
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏によれば、IBITは週間流入額で全ETFの中でも首位に立ち、35億ドルの純流入を記録。これは全ETF市場全体の約10%に相当するという。
ETFが市場の主導権を握る
NovaDius Wealth Managementのネイト・ジェラシ氏は、ビットコイン現物ETFへの資金流入が過去7営業日で53億ドルに達し、前例のないペースで拡大していると指摘した。
この勢いは、地政学的リスクの緩和やポートフォリオ多様化を目指す機関投資家や企業財務部門の参入によって支えられている。特に、伝統的な金融機関がビットコインを資産ポートフォリオの一部として組み入れる動きが顕著だ。
IBITは現在、米国で運用される現物ビットコインETFの保有総量の55%超を管理しており、機関投資家向け市場で圧倒的な地位を確立した。
同ファンドの成長は驚異的で、ローンチ以来の累計資金流入額は650億ドルに達している。
この節目と時を同じくして、ビットコイン価格は12万2000ドル台を回復し、機関投資家参入への市場の強い期待感が反映された。
今後のビットコインの動向や価格推移には、引き続き高い注目が集まっている。
現在、ビットコインの総供給量の約4%が単一の規制金融商品に集中しており、これは暗号資産市場の所有構造における大きな転換点を示している。
この動きは、市場の流動性や価格安定性に長期的な影響を及ぼす可能性があり、今後の仮想通貨投資戦略やリスクマネジメントを考える上で無視できない要素となるだろう。