ポケモンカード、RWAトークン市場を活性化か|Bitwise分析

ビットワイズのダニー・ネルソン調査アナリストは4日、ポケモンカードなどのトレーディングカードゲーム(TCG)が、暗号資産(仮想通貨)分野で大きな可能性を秘めた新たな現実資産(RWA)クラスとして台頭しているとの分析を公開した。
ネルソン氏は「トークン化の真の破壊的革新は、強力な金融インフラが存在しない領域で起こりうる」と主張。
ポケモンカード市場は、その巨大な市場規模にもかかわらず、制度的な枠組みが限られているため、有力な候補だと位置付けている。
ソーシャルオークションプラットフォームのWhatnotでは、昨年30億ドルの売上が報告されており、その大半をポケモン関連の収集品が占めた。
トークン化がもたらす市場の変革
金や米国債といった従来のRWAは、すでに効率的なデジタル基盤上で運用されている。
対照的に、TCG市場は物理的な物流に大きく依存しており、コレクターは鑑定済み、未鑑定のカードを世界中に郵送しているのが現状だ。
ネルソン氏はこの動向を、市場が大きな転換点を迎える「ポリーマーケットの瞬間」に例えている。
TCGは、巨大な消費者需要がありながら従来の金融インフラを欠いており、トークン化の理想的な対象となる。
鑑定プロセスの遅延、配送の制約、流動性の低さといった物理市場の非効率性が、ブロックチェーン技術による解決策に大きな機会を生み出している。
ソラナ(SOL)基盤のCollectorCryptは、物理カードを表現するNFTを発行し、即時流動性やガチャマシンのようなゲーム機能を提供。
このガチャ機能は、7日間で追加で1,600万ドルの売上を生み出すなど、トークン化が従来の収集体験をいかに向上させるかを示している。
この傾向は、ゲームやデジタル世界に慣れ親しんだ若い層に特に魅力的であり、コレクター層を拡大させる可能性がある。
市場の急成長と今後の展望
Messariのデータによると、2025年8月には、主要4つのブロックチェーンマーケットプレイスで合計1億2,450万ドル相当のトークン化されたポケモンカードが取引された。これは同年1月比で5.5倍の増加となる。
市場を牽引したのはCourtyardで、取引高は7,840万ドルに達し、CollectorCryptが4,400万ドルで続いた。
主要なブロックチェーンであるイーサリアム(ETH)でも同様のプロジェクトが見られるが、ソラナは手数料の安さからTCGのトークン化で優位性を示している。
この分野への強い熱意を背景に、CollectorCryptのCARDSトークンは1週間で価格が10倍に急騰し、プロジェクトの評価額は5億ドルに迫っている。
トークン化モデルでは通常、安全な施設に保管された物理カードの所有権をNFTが表す。
これにより、コレクターは物理的な資産を安全に保管しながら、そのデジタル表現を取引したり、展示したりすることが可能になる。
この動きは、強力なコミュニティを持つ文化的資産が、デジタル金融エコシステムにおいて有力な手段となりうるという、より広範なトレンドを示唆している。
ブロックチェーンが既存の金融インフラを補完するのではなく、TCGのような分野で初めて効率的なデジタル取引基盤を構築する事例として注目される。
この流れは、TCG市場だけでなく、より広範な収集品市場においても、仮想通貨を活用した新たなビジネスモデルが生まれる可能性を示唆している。