CMEグループ、ビットコイン新ボラティリティ指数「BVX」を発表

デリバティブ取引所大手CMEグループとCFベンチマークスは3日、ビットコイン(BTC)の新たなボラティリティ指数を発表した。
新たに公表されたのは、CME CFビットコイン・ボラティリティ指数(BVX)と、その決済用指数(BVXS)の2種類だ。
これらの指数は、市場参加者が予測する今後30日間のビットコイン価格の変動幅を数値として示すもので、市場の変動予測を可視化する役割を担う。
市場の変動予測を可視化
今回発表された指数は、CMEグループが提供するビットコイン先物オプションのデータを基に算出される。
CMEグループの公式発表によれば、これらは直接取引できる金融商品ではなく、市場の不確実性を測定するための透明性の高い指標として機能する。
仕組みとしては、市場参加者が将来の価格変動を見積もる際に重視するインプライド・ボラティリティの水準が反映される。
CMEグループのビットコイン・オプション市場は2025年に約460億ドル規模の取引量を記録しており、高い流動性を背景に信頼性の高いデータが活用されている。
リアルタイム指数であるBVXは、CME取引時間中に毎秒更新され、投資家に即時性の高い情報を提供。一方、決済用のBVXSはロンドン時間午後4時に1日1回算出され、ポートフォリオ評価やリスク管理に利用される。
機関投資家の参入と市場の成熟
今回の新指数の開発背景には、暗号資産(仮想通貨)市場への機関投資家の参入が増加していることがある。
CMEグループで仮想通貨プロダクトを統括するジョバンニ・ビチオーソ氏は、市場の成熟に伴い「高度なリスク管理ツールの需要が急速に高まっている」と指摘する。
また、CFベンチマークスのスイ・チャンCEOも、新指数がビットコインに対する機関投資家のセンチメントを把握するうえで重要だと強調した。
実際、CMEの暗号資産関連商品の1日平均取引量は前年比132%増と大幅に拡大しており、機関投資家の積極姿勢がうかがえる。
指数の算出には、コインベースやクラーケンなど主要取引所のデータが統合されており、規制に準拠したベンチマークとして提供されることで、投資家は市場の変動リスクをより正確に把握できる。
こうした取り組みにより、仮想通貨市場における安全性と透明性がさらに高まり、より安心して投資できる環境が整いつつある。